「有馬記念・Ｇ１」（２５日、中山）

　機は熟した。昨年の２着馬サウンズオブアースが、頂上決戦に向けて上昇カーブを描く。

　追い切り翌日の２２日の朝、まずは藤岡師を背に栗東の角馬場へ。助手に交代した後半は、体をほぐす様子を師が近くで見守った。

　すっかりルーティンとなった確認作業を終えると、トレーナーは汗をぬぐって話し始めた。「雰囲気がいい。ちょっと動かしたけど、硬さもない。ジャパンＣの追い切り後と比べてもいいね」。追い切りでは実戦で反応を良くするための工夫を施すなど、ここまでは陣営の思惑通りに進んでいる。「ジャパンＣが過去最高と思っていたけど、それ以上にいい状態」。胸を張れる仕上がりがかなった。

　引き当てた枠は３枠６番。５枠９番だった昨年よりもやや内めとなった。「白、黒、赤のどれかが欲しかったけど、行き脚がつかなかったことを考えると白よりも黒か赤。４・５・６のどれかなら…と思っていたんだ。外のマルターズアポジーが行くだろうし、並びもいい。昨年よりもいい枠だよ」と歓迎した。

　３歳の５００万条件勝ちから２年８カ月も勝利から遠ざかり、２着はＧ１が３度、Ｇ２が４度を数える。「ファンも優しい目で見守ってくれているからね。ここまで来たら２着はいらない。勝つしかない」。“最強の２勝馬”が悲願達成で締める。

提供：デイリースポーツ