「
有馬記念・G1」(25日、中山)
東上を翌日に控えた23日早朝。
クリスマス決戦に挑む
ミッキークイーンは、栗東坂路で調整された。冬の星座に見守られながらの最終チェック。小気味良く四肢を動かし、4F69秒5を刻んだ。気負った様子など少しもない。静かな時間が流れ、光沢のある引き締まった体が、照らし出すライトの先に浮かび上がった。
「いい雰囲気でした。思った通り、順調に来ることができましたし、前回よりも確実にいい」。厩舎の洗い場。シャワーを浴びる愛馬に優しい視線を送った斉藤助手は、柔和な表情で上昇を告げた。前走の
エリザベス女王杯(3着)は半年ぶりの実戦。秋初戦に予定した
京都大賞典を捻挫のため回避した影響もあり、栗東CWでの追い切りを封印して、坂路を中心とした調教メニューで臨んでいた。
だが、今回は違う。中間は、CWで攻めの姿勢を貫いて状態を引き上げてきた。「いつものパターンに戻すことができて、息遣いも良くなっています。前走で力を再確認できましたし、最近はゲートも安定していますからね」。状態面の不安はない。「体重は減っているかもしれませんが、問題はないですよ」と仕上げ人は続けた。前年の
最優秀3歳牝馬に輝いた名花が求めるのは、最強女王の座。大きな上積みを加えて逆襲の舞を演じる。
提供:デイリースポーツ