「
きさらぎ賞・G3」(5日、京都)
大金星だ。8頭立て6番人気の
アメリカズカップが、直線で力強く抜け出して重賞初美酒。登竜門を制し、クラシック戦線へ名乗りを上げた。管理する音無師は同日に
東京新聞杯も勝ち、うれしい
JRA重賞1日2勝を達成。なお、圧倒的1番人気に支持された
サトノアーサーは差し届かず2着に。また、5番人気の
スズカメジャーはスタート直後に福永が落馬し、競走中止となった。
行き先はクラシックだ。6番人気の伏兵
アメリカズカップが大金星を挙げ、大舞台へと向かう風に乗った。
好発から3番手で折り合い、流れに乗って直線へ。残り1Fで先頭に立つと、鞍上が大きく振るった右ステッキに反応してさらに加速。1番人気馬の追撃を封じた。「馬場も馬場なので、早めに仕掛けて行こうと。ノメることなく走ってくれた」と松若は満足そうに話した。
後手に回った前走の
朝日杯FS9着から見事に修正。クラシック候補に名乗りを上げる大きな1勝をつかんだ。「今後が楽しみ。まだ成長途上でこれだけ走ってくれましたから、能力が高い」。責務を果たしたデビュー4年目の若武者。所属する音無厩舎の馬では初の重賞勝ちとなった。
音無師が目を丸くする。「体が12キロも減っていて、きょうは走らないと思った。
サトノアーサーが強いと思っていたけど、勝つんだからなぁ」。指揮官にとっては歓喜の二重奏だ。東では
東京新聞杯を
ブラックスピネルでV。09年10月11日の
毎日王冠(
カンパニー)、
京都大賞典(
オウケンブルースリ)以来となる、自身2度目の
JRA重賞1日2勝に顔をほころばせた。
このあとは馬体回復のため放牧へ。師は「直行になると思う」と
皐月賞(4月16日・中山)をにらむ。また、谷掛オーナーは「これでダービー(5月28日・東京)に行ける」と、頂上決戦に立つ夢を描いた。馬名は世界最高峰の
ヨットレースが由来。帆を高々と掲げ、クラシック航路へ旅立つ。
提供:デイリースポーツ