今週の栗東は気温こそ低かったものの、雪が降ることはなし。ただ1日の夕方からそこそこの量の雨が降り、2日の調教開始時間もまだ少し降っているような状態。一時的に雨は上がったものの、10時すぎからまた雨が強くなってくるといった感じ。ただ時計の出方を見るかぎり、時計を要するほどウッドチップが悪くなったという印象はない。
別ニュースでお届けした
サトノダイヤモンド(栗東・
池江泰寿厩舎)など、G1ホースたちも帰厩して本格的な追い切りを開始している。やはりこのレベルになると時計うんぬんではなく、走るフォームや雰囲気に独特なものがあるので、調教VTRなどを確認できる方はぜひともチェックできる範囲で映像を見てほしい。
【坂路/4F51.9秒】
1日。一番時計は
サングラス(栗東・
谷潔厩舎)など3頭がマークした4F50.7秒。4F50秒台は4頭しかいなかったものの、4F51秒台の頭数は多く、相変わらず時計が出やすい状態は続いている。
走りやすい馬場状態だっただけに、目立つ動きも多数あったが、その中でも
オーシャンSに出走予定の
レッドアリオン(栗東・
橋口慎介厩舎)。時計が出るタイプだけに、4F51.6秒は当然だから、これを強調したいわけではない。今回はブリンカーを着用したことによって、いい意味で走りがまとまってきた。ス
プリンターとしてなら、今のフットワークがベストと思えるだけに、今回はいい結果が期待できそう。
2日。一番時計は前日と同じ4F50.7秒で
キングブレイク(栗東・
羽月友彦厩舎)。しかも追い切った時間は雨が降る10時すぎなので、雨が馬場に影響を及ぼしていないことがよく分かる。4F51秒台は少ないが、このあたりは前日との追い切り頭数の違いと考えてよいだろう。2F25秒を切っている頭数が多い点から馬場状態は前日と変わりないと判断したい。
馬場差だが、先週は22日が「-0.7秒」。翌日に雨が降って、少し時計を要する状態になっていたが、それはすでに回復。文中に記した通り、2日の雨は馬場に影響していないことを考えると、1日と2日の馬場差は『-0.5秒』で記録することにした。
【CW/5F66.5秒】
1日。翌日の雨予報もあってか、すべての時間帯で常に追い切りが行われるくらい忙しい感じ。やはりハローが終了した時間帯に追い切りは集中しているが、少し時間をずらしたとしても、極端に時計に差が出るような馬場ではない。
この日の驚きはなんといっても
マジェスティハーツ(栗東・松永昌博厩舎)。
神戸新聞杯で
エピファネイアの2着など重賞2着は4回あるが、今週は障害レースに出走予定。よって、障害練習の後に追い切られているが、単走で6F76.0〜5F62.7〜4F50.0〜3F37.7〜1F12.8秒。6Fずっとスピードを持続させたような追い切りとなっており、障害飛越さえ無難にクリアすれば、すぐに結果が出そう。
他では来週の
金鯱賞を予定している
ヤマカツエース(栗東・池添兼雄厩舎)の追い切り。6F標識を過ぎたところから、1F14秒を切るラップで飛ばしていき、4コーナーを回る時には1F11秒台になろうかという数字。最後は少し流すような形だったが、こちらも6F77.6秒と素晴らしく速い。
2日。来週の
中山牝馬S(3月12日・中山芝1800m)に出走予定の
パールコード(栗東・
中内田充正厩舎)が
川田将雅騎手を背に追い切り。
グレイトパールを追走したが、一杯に追う相手に対して、最後は楽々と先着。時計は6F80.8〜5F65.7〜1F11.9秒と速く、この追い切りで態勢は整った。馬体を見ていても、完成の域に達してきた雰囲気を感じるし、ここはきっちり結果を出したいところ。
先週の馬場差は22日が「-0.4秒」。今週は特に1日が目一杯時計を出してくるような馬が多かったせいか、とにかく全体的な時計の出方が速い。それを考慮しても時計が出やすい馬場状態だったことは間違いなく、1日、2日ともに『-1.0秒』の馬場差で記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週の芝馬場は1日が追い切りなし。2日は松田国英厩舎の追い切りが行われている。新馬だったが、通常の馬場状態なら最後までスピードが衰えないところ、やはり走りにくいのか、最後は失速。先週もかなり時計を要する馬場状態としていたが、今週もそれは変わりない。よって馬場差には1日、2日とも『+1.5秒』で記録した。
ポリトラック馬場の追い切り頭数はこのところずっと変わらず、30頭そこそこといったところ。先週あたりに比べると速い時計を出している頭数は増えているが、極端に速い数字が出ているということもない。よって馬場差は1日、2日とも『-1.0秒』で馬場差を記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・写真:井内利彰)