今年も2開催が終了し、3月からは本格的にG1シーズンが開幕する。3月5日終了時点で馬主の賞金ランキングは1位キャロットファーム、2位シルクレーシング、3位サンデーレーシング。俗に言う“ノーザン系”がトップ3を独占と、相変わらずの強固な布陣で序盤戦をリードした。これには脱帽というほかない。
個人的な注目は9位のG1レーシング。数字こそ1位のキャロットファームと
ダブルスコア(4億1812万円-2億2026万円)となっているものの、出走回数は165対80。もともと社台系の一口クラブでは圧倒的に所有頭数が少なく、それを思えば順位以上に優秀な数字と言えるだろう。
タンタアレグリアがAJCC、
ペルシアンナイトが
アーリントンCを制するなど、重賞の舞台でも「黒、赤襷、袖赤一本輪」の勝負服が躍るシーンは多くなってきた。
10年に設立され、12年に
コレクターアイテム(アルテミスS)が重賞初制覇。その後は低迷期を迎えたが、昨年からはブレークの兆しを見せている。
アルバートドックがサマー2000シリーズのチャンピオンに輝くなど、クラブとしてJRA重賞を4勝。今年も早々に同2勝と好スタートを切った。
「牧場サイドや調教師、騎手の方々とよく話し合い、やるべきことをやっている。何も難しいことはやっていません」とスタッフの大井宏樹氏は謙虚に語るが、15年からは追分ファーム場長の吉田正志氏を代表に据えて若返りを図るなど、活発な動きを見せてきたのも事実。「昨年まで水をまいて、ようやく芽が出てきたところ。今年こそは大輪の花を咲かせたいですね」と大井氏の言葉には熱がこもる。
大輪とは言うまでもなくクラブ名と同じ「G1」制覇。前出の
ペルシアンナイトは牡馬クラシックで中心を担うレベルにまで達した。まだ歴史の浅い新興一口クラブが今春は台風の目となり得るか、要注目だ。(デイリースポーツ・豊島俊介)
提供:デイリースポーツ