「
地方競馬記者コラム・仕事 賭け事 独り言」
JRAでは19日、中山競馬場の「
スプリングS・G2」で牡馬戦線クラシック
トライアルが終了。今年は主役不在というムードで、「
皐月賞・G1」へ向かうこととなる。
南関東競馬でも22日、
大井競馬場でクラシックの
トライアルレースである「
京浜盃・S2」が行われ、上位3頭に南関東三冠レースの第一弾「
羽田盃・S1」への優先出走権が与えられる。南関東現3歳世代も力量拮抗(きっこう)で戦国ムード。クラシック戦線の主役に名乗りを上げるのはどの馬か。ここではその候補たちの横顔を紹介したい。
まずは、年が明けて行われた3歳戦重賞「デイリー杯
ニューイヤーカップ・S3」を制した
ヒガシウィルウィン(牡3歳、船橋・佐藤賢厩舎)。2歳時は門別で活躍の後、暮れの「
全日本2歳優駿・Jpn1」で4着。その直後に船橋に移籍し、やや不安視されていた小回り浦和コースを巧みにインを突いて差し切り勝ち。初コンビを組んだ南関東リーディング
森泰斗Jとの息も合い、能力の高さを示した。「直線が長く、距離も伸びる方がレースがしやすくなるだろう」と佐藤賢師も来たるべき
大井競馬場での三冠レースに期待を寄せている。
ニューイヤーCでは
ヒガシウィルウィン相手に頭差の接戦を演じた
ブラウンレガート(牡3歳、大井・阪本一)は、その次走、今年新設されたクラシック
トライアルSを勝ち、
羽田盃、
東京ダービーの両レースの優先出走権を既に確保している。「この馬でダービーにいくことになる」と大井の帝王・
的場文男Jが悲願であるダービー制覇に挑む力強いパートナーとなった。
京浜盃の
トライアルレースは2月大井開催で行われた「
雲取賞」。その勝ち馬
カンムル(牡3歳、浦和・小久保)も
ニューイヤーCに出走。道中は後方追走から外をまくって伸びて3着。前走も含め、まだ荒削りな印象を受けるが、スケールの大きさを感じるレースぶりを披露している。
JRAデビューから南関東クラシック制覇に向け、早めに移籍してきた素質馬。まだ伸びしろも大きく、今後いっそうの活躍が見込めそうだ。
南関東リーディングトレーナーの小久保厩舎からはもう一頭、NAR
最優秀2歳牡馬の
ローズジュレップ(牡3歳、浦和・小久保)がスタンバイ。
京浜盃からクラシック制覇に向けて始動する。2歳5月のデビュー時から3着に健闘した12月の「
全日本2歳優駿・Jpn1」の7カ月の間に馬体重を約50キロ増やし、目覚ましい成長を遂げている。2歳時の戦績はメンバー中No.1。完成度も高く、復帰戦でのレースぶりに注目が集まる。
また、3月にはクラシック獲りに向け、2月に東京競馬場で行われた「
ヒヤシンスS」の5着馬
キャプテンキング(牡3歳、大井・的場直)が転入済み。勝ち馬
エピカリスを筆頭にハイレベルのオープン戦で見せ場を作っているだけに能力上位の存在だ。「ぶっつけで
羽田盃へ行きますが、楽しみですね」とトレーナーも早くその走りを心待ちにしている。
他にも、「
ハイセイコー記念・S2」を快勝している
ミサイルマン(牡3歳、大井・森下淳)、南関東移籍後、余裕たっぷりに3連勝中の
ソッサスブレイド(牡3歳、船橋・
山本学)などの素質馬も控え、クラシック候補は目白押し。昨年の
東京ダービー馬
バルダッサーレと同様に
JRAからの緊急移籍もあるかもしれず、6月7日の
東京ダービーまで目が離せない熱戦が続いていく。(関東
地方競馬担当・工藤修)
提供:デイリースポーツ