「
ドバイWC・UAE・G1」(25日、メイダン)
ダートで6勝を挙げ
パーフェクト連対を誇る兄
アウォーディー。そして、米三冠レース出走時に“ゴジラ”と呼ばれ注目を浴びた弟
ラニ。松永幹師が、個性派兄弟をドバイワールドCに送り出す。24日の朝、2頭はメイダンのダートを1周。指揮官は「
アウォーディーは何も不安がないし、力を出し切るだけ。
ラニは昨年よりも集中力が増している。2頭ともいい調整ができました」とうなずいた。
両馬の
母ヘヴンリーロマンスは、自身がジョッキーを引退するまで所属した山本正司厩舎の管理馬。05年
天皇賞・秋を制した思い入れのある一頭だ。ドバイの地も思い出深い。
レギュラーメンバーで挑戦した01年ドバイワールドCが当地初騎乗。その15年後、調教師としてUAEダービーを
ラニで制した。「昔は勝つ感覚が難しかったけど、今は馬のレベルも上がって十分勝ちに行ける」と手応えをつかむ。
昨年12月24日、師匠の山本正司元調教師が亡くなった。「
ヘヴンリーロマンスの子が走る時はいつも競馬場に来てくれたので…」。
ラニのドバイ遠征時も、米三冠レース出走時も、欠かさず帯同する熱の入れようだった。
チャンピオンズCで
アウォーディーが2着に敗れたあと、病室で交わした言葉が師弟最後の会話となった。「“ミキオ、惜しかったな”って。次は大井ですからって伝えたら“ウンウン”ってうなずいていました」。遺志は受け継いだ。世界最強馬が相手でも、一歩も譲るつもりはない。
提供:デイリースポーツ