「
大阪杯・G1」(4月2日、阪神)
年度代表馬が、始動戦からエンジン全開だ。
有馬記念2着以来となる
キタサンブラックの最終リハは29日、栗東CWで併せ馬。僚馬に首差遅れたが、軽快なフットワークで好調をアピールした。今年からG1に昇格。始動戦から力を誇示して、初代チャンピオンの座を奪う。
京都記念3着の
マカヒキは、栗東坂路で併せ馬。素軽い動きを披露し、きっちりと先着するなど、こちらは確かな上積みを感じさせた。
もう強い負荷は不要だった。
キタサンブラックの最終リハは朝一番の栗東CWで、黒岩(レースは
武豊)を背に
アキトクレッセント(5歳1600万下)と併せ馬。直線は軽く促した程度でス
トライドを伸ばして、6F83秒4-38秒3-11秒7をマーク。最後は自らオーバーワークを避けるように力を緩め、首差遅れのままフィニッシュした。
鞍上は「いつも通り当週はサラッとしまい重点で。帰厩時はテンションが高かったけど、きょうは落ち着いていましたね。しまいの動きも良かった」と歯切れがいい。清水久師も「遅れは全く気にしていません。同じような調教で、結果を出してくれていますしね」と力強く言い切った。
17年の始動戦はいきなりG1。中間は坂路を一日3本駆け上がるなど、初の試みにも取り組みながら乗り込み量を増やしてきた。「鍛え上げてもっとパワーアップを図らないと」と説明。「
トップレベルのメンバーが100仕上げてくる。こっちが(休み明けで)能力を80しか出せなかったら厳しい。もっとやっておけば良かったと後悔するより、負けても納得できるようにしたい。
年度代表馬として、恥ずかしい競馬はできない」と力が入る。
春に結果を出し、さらに進化を果たした先には、海外挑戦がある。期限の迫る
凱旋門賞の1次登録にも「(北島)オーナーにはこれから了承を得て、登録しようと思っています」と前向き。「国内で収まる馬じゃないと思っています。行きますと言わなくても、みなさんに“行かないといけないでしょ”と言われるくらいにならないと」。そのためにも、始動戦から結果を求めたいところだ。
昨年の
大阪杯2着時からコンビを組む
武豊は「いい馬と巡り合えた。初めて乗った時から、
有馬記念まで随分成長しましたね。日本を代表する馬です」と絶賛。過去に
大阪杯6勝を誇る名手は「新たにG1となった一戦で初代チャンピオンになれたら」と意欲的だ。上半期は
天皇賞・春(4月30日・京都)→
宝塚記念(6月25日・阪神)とG1・3戦を予定。V発進で
年度代表馬の底力を示す。
提供:デイリースポーツ