「
桜花賞・G1」(9日、阪神)
戦前から
ソウルスターリングの1強ムードが漂うが、この馬を忘れてはいけない。同じフランケルを父に持つ
ミスエルテだ。前走は牝馬ながら果敢に牡馬相手の
朝日杯FSへと挑戦。4着に終わったものの、新馬戦、ファンタジーSで見せた切れ味は2歳女王にも引けを取らない。中間は調教を強化するなど、大一番に向けて着々と態勢は整いつつある。打倒・ソウルの一番手となるか。
朝日杯FSで、ファンは牝馬
ミスエルテを1番人気に支持した。もちろん、それはデビュー戦、ファンタジーSで見せた上がり3F33秒台の切れ味があったからこそ。結果は4着。だが、完全な力負けと決めつけるのは早計だろう。
「前走はイレ込みがきつかった。デビュー前はそれほどでもなかったが、2戦目、3戦目と重ねるうちにテンションが高くなった。普段はおとなしいのに競馬に行くと分からない」とは斉藤助手だ。2冠牝馬
ミッキークイーンも担当する同助手は「馬房では
ミスエルテの方がおとなしい。でも、馬場に向かうとキャッキャ、キャッキャと。走るのが好きという感じ」と話す。
決して舞い上がって
パニックになっているわけではない。だからこそ陣営は中間、調教内容を強化するという勝負手に打って出た。負荷アップによってさらにイレ込むことにもつながりかねないが、あえてハードトレに変化を求めている。「長めのケイコを1本多くやっています。これまではトモの蹴りだけという感じでしたが、前肢もしっかりと使えるようになって
バランスが取れてきました。力強くなっています」と目を細める。
2歳女王
ソウルスターリングと同じフランケル産駒。池江師は「ソウルは抜けていると思うし競馬も上手。でも、出る以上は何とか。できれば良馬場で戦いたい」と大一番に力が入る。怪物の娘を倒すのは、怪物の娘かもしれない。
提供:デイリースポーツ