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スカーレットVSウオッカの10年前を超える高レベル桜花賞になる!!/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2017年04月06日(木) 18時00分
 GI桜花賞の1週前登録を見て、少々驚いたことがある。担当の加藤和キュウ舎ブラックオニキスの名前がそこになかったことだ。もしや故障? そんな疑念を加藤士津八助手にぶつけると、真逆の答えが返ってきた。

「いいえ、馬は無事、というか前走よりいい雰囲気です。それでも登録しなかったのは花より実を取ったというか、より上位に来られるレースで、馬にきっかけをつかませたかったから。桜花賞が一生に一度の晴れ舞台なのは確かなんですけどね。今年はあまりに周りが強力で、夢を見る隙もなかったというか…」

 同馬は出走可能な賞金(1800万円)を持ちながら桜花賞を回避。同週の阪神オープン・忘れな草賞(芝内2000メートル)と中山GIIニュージーランドT(芝外1600メートル)に登録した。仮にも牡馬相手に重賞(札幌2歳S)で2着した馬さえ戦意を喪失するハイレベルな組み合わせ。それが今年の桜花賞なのだろう。GIIIフラワーCを史上最大着差(5馬身)で圧勝したファンディーナが牡馬相手の皐月賞に向かうのも、より高い可能性を求めたゆえの帰結だ。

 忘れられない言葉がある。今から10年前、07年桜花賞で、松田国英調教師が戦前に放ったひと言だ。

「普通の年なら自信を持って“勝てる”と言えるレベルの馬です。でも、今年はそんな馬が複数いる。他陣営もきっと同じような思いでいるんじゃないですか?」

 送り出したのは、後にGI4勝を挙げるダイワスカーレット。そんな女傑にさえ脅威を感じさせたのは、前哨戦チューリップ賞でクビ差負けしたウオッカだった。本番は1馬身半差で快勝したが、そのライバルは同年ダービーで牝馬による64年ぶり制覇の偉業を達成。その後、天皇賞・秋ジャパンCなど古馬GIを5勝する歴史的名牝へと上り詰めた。つまり、その桜花賞こそ、以後3年の競馬シーンを占うターニングポイントであったのだ。

 おそらく今年も「普通の年なら」と歯ぎしりする関係者は何人もいるだろう。

 そんな黄金世代が激突する桜花賞は、17年のベストバウトになる可能性さえ秘めている。週末の関西地区は現状傘マークのある予報が出ているが、大一番はぜひ良馬場でと今は願うのみだ。

 (美浦の宴会野郎・山村隆司)

東京スポーツ

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