ドバイターフを見事に制した
ヴィブロス担当の友道厩舎・安田助手がこんなことを言っていた。
「これまではずっと
チャレンジャーの気持ちでラ
イバルを追いかけてきましたけど、これで一気に追われる立場になりましたね。これからはまた違うプレッシャーがありますよ」
1着賞金約4億円の海外のビッグGIを制したのだから、確かに
ヴィブロスは古馬牝馬戦線のトップに躍り出たと言っていい。今後はこの馬を頂点にした戦いが繰り広げられることになる。
GII
阪神牝馬Sには早くも
ヴィブロスを強烈に意識して、勝負を仕掛ける人物が…。吉村厩舎で
クイーンズリングを担当する当コラムおなじみの矢野厩務員である。
「あの馬がドバイで勝ったし、もう今年は一戦も負けられん。そんな気持ちや」
昨年は
エリザベス女王杯を制しながら、
JRA賞で
マリアライトに敗れ、「
最優秀4歳以上牝馬」のタイトル奪取ならず。
マリアライトが昨年、
宝塚記念1勝に対して、こちらは
京都牝馬S、
府中牝馬Sと合わせて重賞計3勝。しかも直接対決の
エリザベス女王杯で
マリアライトは6着に敗れているのだから納得がいかないのもよく分かる。
「向こうが勝つにしても、差はないと思っていた(
マリアライト=233票、
クイーンズリング=46票)。あの結果はホント、悔しかったよ。だから今年こそはタイトルを取りたい。そのために今年は一戦も取りこぼせないということや」
肝心の馬の体調も申し分ない。M・デムーロを乗せて2週連続で併せ馬を消化。「トモに張りが出て、いかにも古馬らしくなった。休み明けでも本数をきっちりこなして動ける状態にありますし、初戦からいい結果を期待したいですね」とは吉村調教師。
ヴィブロスに追いつけ、追い越せと気合十分の
クイーンズリング&矢野さんを全力で応援したい。
(栗東の坂路野郎・高岡功)
東京スポーツ