障害の元名手で、世界最難関の障害レース・グランドナショナルを2度制覇している
リチャード・ダンウッディ氏(53)。1999年に騎手を引退してからは「冒険家」となり、2003年にはカナダの
レゾリュートから北極点まで650kmを徒歩と
スキーで目指すポーラー・レースに参加、2008年には南極大陸700kmを
スキーで走破するなど、数々のチャレンジを行ってきた。
彼が困難な冒険に挑むのは、チャリティー活動のためという理由もある。
現在ダンウッディ氏は、徒歩で日本を縦断をする2000マイルのチャリティーウォークにチャレンジ中。2月27日に鹿児島の佐多岬をスタートし、日本海側を北上。6月10日頃に日本最北端の地、北海道の宗谷岬に到着予定だという。
今回のチャリティーウォークの目的は、サルコーマ(Sarcoma=肉腫)という骨や軟骨といった組織に発生する癌の患者を支援する慈善団体“サルコーマUK”のための募金活動。そのきっかけは、彼の甥の発病だった。
「妹の息子で私の甥であるジョージは、ボートのイギリス代表選手でした。2年前にこの癌にかかり、今も闘病中。まだ21歳という若さです。サルコーマの研究や治療法の開発にはお金がかかるので、このチャリティーを始めました」
netkeibaの合田直弘氏の連載コラム
『世界の競馬』(2月22日掲載分)でも、このチャレンジをいち早く紹介。その記事を目にした
和田竜二騎手がチャレンジに賛同し、ダンウッディ氏サイドにオファー。本日4月11日に、栗東トレセンを訪問することが実現した。
和田騎手のほか
浜中俊騎手、
藤岡康太騎手、
松山弘平騎手、
川須栄彦騎手、
田中健騎手、大下智騎手、
鮫島克駿騎手らも出迎え、サルコーマの話に熱心に耳を傾けた。
和田騎手は「元ジョッキーの方がこのような活動をされているということを、合田さんの記事で知りました。いい機会なので、
メディアの力も借りて、多くの方に知ってもらいたいです」と語った。
また、今回初めて栗東の施設を目にしたダンウッディ氏。調教コースを見て「
ファンタスティック」と感動。
騎手同士ということもあり、今週末の
皐月賞や
中山GJ、
凱旋門賞、和田騎手の代表馬
テイエムオペラオーのことなど、競馬話にも多いに花を咲かせ、和田騎手からは自身の1000勝を記念したジャンパーが贈られた。
ルートはこのまま日本海側を北上するということで、今月末からの新潟開催にちょうど重なる。「タイミングが合えば訪れてみたい」と語った。
▼「サルコーマUK」募金窓口(英語サイト)
https://www.justgiving.com/fundraising/Japan4SarcomaUK(※外部サイトにリンクします)