「皐月賞・G1」（16日、中山）

　態勢は万全だ。カデナの最終リハは12日、福永を背に栗東坂路で単走。ハロー（馬場整地）明けとはいえ、前日の雨をたっぷり含んだ力のいる状態。道中は右に左にステップを踏む場面もあったが、ラストはしっかりギアを上げて真一文字に登坂。軽く促された程度で、4F55秒3-40秒6-13秒0をマークしてゴール板を射抜いた。

「いい追い切りができた。バッチリ。非常にいい状態で向かえそう」と主戦は声を弾ませる。「普段、荒れた坂路を走ることが多い馬。体幹が鍛えられている。多少、下（馬場）が悪くてもバランスが取れる」とうなずいた。動きを見届けた中竹師も「大変、満足のいく状態で出せます」と太鼓判を押した。

　陣営の熱い心に応えたい。鞍上はきさらぎ賞で発馬直後に落馬して負傷。一時はコンビ解消の“危機”もあったが、「（前田）オーナーからケガした直後に“仮に弥生賞に間に合わなくても、本番はお前で行くから”と言われた。結果、間に合って勝てたけど、そういう思いを持ってくれているし、このチームで大きなタイトルを獲りたいというのは強くある」と感謝の気持ちを胸に大一番に挑む。

　中間も熱心に調教をつける主戦に、指揮官も「カデナとの意思疎通だけでなく、うちのスタッフとも積極的にコミュニケーションを取ってくれて、一体感を感じます」と目を細める。強固な絆、さらに師が最大の魅力と話す「瞬発力」を武器に、クラシック一冠目をつかみ取る。

提供：デイリースポーツ