なんといっても記載すべきは坂路馬場の時計。ウッドチップの入れ替え作業が終わったことに加えて、先週末から雨が降り、ウッドチップはかなりの水分を含んだ状態。11日の調教時間中も雨は降っていたが、この時点から各馬の脚色が少し悪く見えていた。
13日は調教開始時刻から好天に恵まれたので、今後は徐々に回復へと向かっていくものと思われる。ただ、今週の坂路馬場追い切りに関しては、時計だけでなく、追い切り後の回復状況など気を配らないといけない部分が出てきそうだ。
【坂路/4F51.9秒】
12日。通常なら4F51秒、52秒が当たり前の開門直後でも4F53秒出たらいいくらいの雰囲気。時間が経つごとに4F目のラップが遅くなってきており、踏み荒らされたことでより時計が出にくい状況となっていた。
一番時計は1回目のハローが終了した時間帯に追い切った
アドマイヤシェル(栗東・
中尾秀正厩舎)の4F51.8秒。二番時計は開門直後の
アフォード(栗東・
北出成人厩舎)の4F52.2秒。こちらは楽に4F51秒をマークするようなタイプだけに、これを見ただけでも通常より1秒以上は時計を要する馬場。また4F目の最速は2頭が12.4秒。12秒前半で動けた馬が10頭いない状況はかなり特異で、時間帯によっても時計の出方に大きな差が出る日だったことは間違いない。
13日。一番時計は
キャプテンシップ(栗東・
森秀行厩舎)の4F51.5秒。多少はウッドチップも乾いてきているが、まだまだ基準時計よりは遅い印象。ただし終い重点の追い切りとなれば、4F目12.1秒という数字も出ているだけに、馬場差としては12日よりも回復した数字にすべきだろう。
先週の馬場差は6日が「±0.0秒」。今週は冒頭から記しているように、とにかく時計を要する馬場。12日の馬場差は『+1.5秒』で記録して、回復傾向にある13日の馬場差は『+1.0秒』で記録している。
【CW/5F66.5秒】
坂路馬場同様、雨の影響を受けているものの、ウッドチップの入れ替えはないので、基準時計より大幅に時計を要するという状況ではない。ただし、ここ最近では一番時計を要する馬場状態であったことは間違いないだろう。
そんな12日の追い切りで絶好の動きを見せた
クルーガー(栗東・
高野友和厩舎)。昨年の
マイラーズCを制してから長期休養しているが、
レプランシュを追走する動きには余裕十分。最後の直線も外から楽々と追い抜いていき、きっちり先着。6F80.3〜5F65.3〜4F51.7〜3F37.6〜1F12.2秒という時計は馬場状態を考慮すると高い評価をすべきだろう。
13日。前日ほどではないにせよ、やはり馬場が重い状態は続く。
別ニュースで
サトノダイヤモンド(栗東・
池江泰寿厩舎)の追い切りをお伝えしているが、同じ時間帯に
フローラS(4月23日・東京芝2000m)の1週前追い切りを行った
ヤマカツグレース(栗東・池添兼雄厩舎)は、
松山弘平騎手(レースは
横山典弘騎手)が跨って、単走での追い切りとなった。
前走時の最終追い切りでも時計は出ていたが、重い馬場でも6F80.0〜5F65.5〜4F51.7〜3F38.2〜1F12.2秒をマーク。身体能力の高さを感じさせるし、一戦ごとに走りが上手になっている印象もある。東京競馬場への輸送など課題もあるが、魅力たっぷりな1頭であることは間違いない。
先週の馬場差は「-0.3秒」。12日は雨の影響を受けているので『+0.7秒』の馬場差で記録。13日に関しては多少ウッドチップも乾いているので『+0.3秒』の馬場差で記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週の芝馬場は12日、13日ともに大盛況。馬場が整備されたのか、芝がきっちりと生え揃った状態で、雨が影響してクッションが適度。雨で重いウッドチップで追い切るくらいなら、こちらを使うことが得策と考える厩舎が多いのも納得。ただ、時計に関しては、雨の影響で出にくい状態だけに、12日と13日は『+0.5秒』の馬場差で記録している。
ポリトラック馬場は、今週は久しぶりに30頭超え。雨の影響は受けない馬場だけに、やればやるほど動ける状態。よって、馬場差は12日、13日とも『-1.0秒』で馬場差を記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・写真:井内利彰)