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成長具合が不透明なトライアルパス組より目に見えて変わったウインブライト/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2017年04月13日(木) 18時00分
 3戦3勝の牝馬ファンディーナが閉ざされた69年の扉を開けんと皐月賞出走を決めたのは、いくつかの理由があろう。ただ、そのひとつに相手関係というファクターが潜んでいることは誰しも容易に想像がつく。

 下馬評で「主役不在」とされる今年の牡馬戦線。牝馬のチャレンジは往々にしてその間隙を突くものであるのも事実だ。ただ本当に「不在」なのだろうか、とも思う。2011年オルフェーヴル(4番人気)しかり、15年ドゥラメンテ(3番人気)しかり。終わってみれば「1強」という皐月賞も過去何度もあった。混戦というよりは「難解」。実はそれが今年の牡馬戦線の正体かもしれない。

 もっとも「難解」であることの原因は明快だ。牡馬唯一の無敗馬レイデオロを筆頭に、GIII共同通信杯(スワーヴリチャード)、GIIIきさらぎ賞(アメリカズカップ)など主要重賞優勝馬が軒並みトライアルをスキップ。強さの尺度が判然としないまま頂上決戦を迎えるためだ。その事態が多くのファンを、当方を含む記者連中を悩ませているのだ。

 週明け(11日)の美浦で、アウトライアーズ小島茂之調教師がつぶやいた。

「ちょっと落ち着きすぎているのが嫌な感じ。折り合いという意味ではいいかもしれないが、気が入っていない不安もある。成長期の中で体形が変わって、走りづらくなっているのかもしれない」

 サラブレッドとしてはまだ完成途上の3歳春。クラシックはある意味で、その成長が如実に示される舞台だ。いうなれば、トライアルパス組はそれが不明。ならば成長が明白な馬にかけてみるのも手だろうか。

「すごいですよ。どんどん良くなる。これがステイゴールドの血なんですかね。全姉ウインファビラスは2歳からほとんど変わらなかったけど、牡馬と牝馬でこれだけ違うものなのか」

 先週の美浦でこう語ったのはウインブライトを送り出す菅田健太助手。昨秋の復帰後は4戦3勝2着1回。いま、目に見えて馬が変わってきている一頭だ。「実戦、休養、調教のステップを繰り返してこそ、馬は強く成長する」とかつて語ったのはダービー2勝の松田国英調教師。その過程を着実に踏んできたウインブライト、当方にとっては非常に興味深い一頭である。

(美浦の宴会野郎・山村隆司)

東京スポーツ

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