先週のクラシック第1冠・
皐月賞は
アルアイン→
ペルシアンナイト、
池江泰寿厩舎のワンツー決着だった。とはいえ勝敗のポイントは、厩舎力というより対応力ではないかと思っている。
「弱メン」の前評判とは対照的に、決着は1分57秒8のコースレコードタイ。これが意味するものはひとえに馬場の軽さ。1、2着馬はともにマイル路線でスピード対応に磨きをかけた
バックボーンがあり、“GI仕様の馬場”にその足跡が
フィットした。なるほど、
皐月賞は速い馬が勝つ――古くからの格言に思いをはせられなかった当方はあえなくごう沈だった。
さて、今週から春のクラシック戦線も第2幕を迎えるが、
皐月賞の教訓を生かしたいのは、3歳牝馬のGII
フローラSより、古馬GII
マイラーズC。ここに出走する関東馬の「適性」に着目している。
まずは
金鯱賞7着からリベンジを誓う
プロディガルサン。2走前の
東京新聞杯(東京芝1600メートル)では究極の上がり(3ハロン32秒0)を駆使してクビ差2着。この切れ味は同馬のマイラー資質を端的に示している。それでも気になるのが「当日のテンションが高く、折り合いがつかなかった」(椎本英男助手)という前走敗因だ。
菊花賞(11着)が前走比6キロ減の490キロ。「出発前は500キロあった」(同助手)のだから、現地1泊の輸送競馬ではカイ食いが落ちるのは明白。それが前走の力みにつながったことは想像に難くない。
一方、ここ2年の
関屋記念で3→1着の
ヤングマンパワーは気温の上昇につれ調子を上げるタイプ。「体に張りがあり活気も出てきた」(
手塚貴久調教師)と、前走(
東京新聞杯)時とは明らかに気配が違う。ただ、こちらも
マイルCSでは12キロと大きな馬体減。ともに輸送競馬の適性には疑問が残るのだ。
その意味では今回と同じ舞台のGI
マイルCSで、過去2年3→2着の
イスラボニータが信頼性では断然上だろう。鞍上もこれまで[0・3・1・0]と馬券圏内を外していないルメール。最大目標が次走のGI
安田記念にあるのは明白だが、弾みをつけるにはうってつけの舞台だ。
一方ホームなら確実にパフォーマンスの質を上げる前記2頭のアウェーの走りも必見。今回見せ場があるようなら、次走こそ絶好の狙い目になるはずなのだから。
(美浦の宴会野郎・山村隆司)
東京スポーツ