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空前絶後の超穴 ベストアプローチ/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2017年05月24日(水) 18時00分
 ヴィクトリアマイル・ウイークにはアドマイヤリード(6番人気1着)&デンコウアンジュ(11番人気2着)を、そして先週のオークスでもアドマイヤミヤビ(2番人気3着)を取り上げるなど、「トレセン発(秘)話」ではヒット連発の高岡功記者だが、なぜか馬券は不発続き。「取材の成果を予想に生かしきれてなくて…。今度こそは取材と予想、ダブルで結果を出したい」と意気込んで第84回日本ダービー(28日=東京芝2400m)の渾身取材に臨んだ。「栗東の坂路野郎」改め、「サンシャイン高岡」がお届けする、来ればハイテンション確実の空前絶後の穴馬とは!?

 64年ぶりに牝馬による日本ダービー制覇を決めた2007年ウオッカに、史上最速となるデビュー3戦目での勝利となった1996年フサイチコンコルド…。1番人気の勝率が高く、比較的順当な結果が多いダービーにおいても、過去にいくつか“常識破りの勝利”はあった。

「常識破りというならウチの馬もそうだろう。普通、未勝利を勝つのに6戦もかかるような馬は、放牧に出して夏や秋に備えたりするもので、ダービーを狙うという考えはそうは出てこない」

 発言の主は08年にディープスカイでダービーを制した昆調教師だ。

「なぜ、そんな(成績の)馬でダービーを狙おうと思ったかって? そこが調教師としての経験だろう。ディープスカイにはまだまだ先があると思ったからこそ、とにかく上を目指した」

 毎日杯Vでダービーロードに乗った後は、大目標でさらに良くなることを想定して、「八分のデキでNHKマイルCに使った」と言う昆調教師。「マイルCからダービーまでは日数も少ないし、目一杯の仕上げでいったらとても持たない。それでもマイルCは勝てると思っていたからね」と、もくろみ通りの連勝だったことを打ち明けた。

 いわば調教師としての慧眼と、ダービーを第一に考えた肝の据わった仕上げが、常識破りの勝利をアシストしたということだろう。

 この昆調教師の一連のフレーズと似たような話を今春、とある陣営から聞いた。

青葉賞は八分でも勝てると思っていたから、その後のダービーも考えて、そういう仕上げで使った。あんな強い勝ち馬(アドミラブル)がいたことは想定外だったけど、権利はしっかり取れたし、その後は期待通り、馬は良くなっている」

 青葉賞2着ベストアプローチの調教をつける藤原英キュウ舎の荻野助手の弁だ。

 アドミラブルの勝ちっぷりが際立っていたため陰に隠れているが、ベストアプローチが走破した2分24秒0も、青葉賞史上(アドミラブルに次ぐ)2番目に速い立派な時計。かつてエイシンフラッシュ(10年)でダービーを制したキュウ舎が、大一番に向けて狙い澄まして仕上げてきたのはなんとも不気味に映る。

「以前はカイバ食いが細い面もあったけど、今はしっかり食べる。その分、早く回復できるようになった。前走の疲れもすぐ取れたし、体の張りを見ても、確実に前回より良くなっている」とは担当の藤森キュウ務員。

“ダービー馬はダービー馬から”とよく言われるが、種牡馬、キュウ舎、騎手の“3部門”全てで、かつてダービーを勝っているのは、このベストアプローチサトノアーサーだけだ。

 どんなに強くても2着まで…という青葉賞の“常識”を、今年打ち破ろうとしているのはアドミラブルだけではない。それどころか、このベストアプローチには史上初となる「1勝馬のダービーV」(2歳戦を実施するようになった1946年以降)、さらには「初の外国産馬V」までかかっているとなると…。何から何まで“常識破り”。まさに空前絶後の日本ダービー馬誕生となる。

(栗東の坂路野郎・高岡功)

東京スポーツ

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