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レッドファルクス尾関調教師「弱気発言」の表と裏/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2017年06月01日(木) 18時00分
 先週の日本ダービーレイデオロが名伯楽・藤沢和雄調教師に初栄冠をもたらす劇的V。その決着に至る道程は、極めてファンタジックな攻防に満ちていた。

 最初に“魔法”をかけたのは、酸いも甘いも知る32年目のベテラン・横山典弘(マイスタイル)。ハナに立ち刻んだラップ(5ハロン通過63秒2)は、1週前のオークスより1秒5も遅い超スローペース。それは各ジョッキーの判断、決断力を狂わせるに十分なマジックだった。実際、皐月賞アルアイン松山弘平は「何もできずに終わった」と肩を落とした。

 ゆえに、その呪縛を解いたルメールこそ勇敢だったと言えよう。14番手から5ハロン標手前で一気に動いて、金縛りにあうアルアインの前に位置する2番手へ。それはまさに相手の技を逆利用する“魔法の攻防”。騎手の技量を堪能させる「馬3・人7」の競馬は、ファンの記憶に深く残るものとなったはずである。

 さて、春の東京GIシリーズも今週・安田記念で見納め。思えば、昨年のこの舞台こそ魔法が鮮やかに決まった一戦だった。

 仕掛けたのはロゴタイプに騎乗した“東の魔術師”田辺裕信。マイルGIらしからぬ5ハロン通過59秒1の緩ペースには、怪物モーリス(2着)さえも幻惑された。

「今年もロゴが行くか、それともブラックスピネルか。典型的な逃げ馬がいないのは昨年と一緒。競ってしぶとい馬だけにレースが流れてくれるのが理想なんだけど…」

 こうヤングマンパワーの森信次郎厩務員が思案顔で語るように、香港馬が2頭加わる今年も展開が読みづらい組み合わせ。12頭立ての少頭数だった昨年と違い、フルゲート(18頭)の分だけ、鞍上の手腕はより問われよう。ただ、これにニンマリするのは、GIスプリンター・レッドファルクスを送り出す尾関知人調教師なのかもしれない。

「もともとかかる馬ではないからね。距離延長でポイントとなるのは折り合いよりもスタミナの部分。前走(京王杯SC=1着)はこなしそうな競馬だったけど、GIマイルとなればタイトさも変わってくるから」

 一見弱気に聞こえるが、知将の言葉には表があれば裏もある。

ストレイトガールが制した去年のヴィクトリアマイルのように、スプリンターが台頭するパターンもあるのが競馬の奥深さ。逆に軽さが武器になるようなら楽しめるかもしれない」(尾関師)

 もし昨年と同じ展開なら、案外怖いのはこの手の馬かも。ルメール(イスラボニータ)の4週連続GI制覇なるかが注目される今週、“魔法使い”は、東、西、香港…どこから現れるのか。

東京スポーツ

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