「
エプソムC・G3」(11日、東京)
“悪夢”を振り払う勝利だ。浜中騎乗の5番人気
ダッシングブレイズが、直線鋭く抜け出し重賞初V。昨年の
東京新聞杯で内ラチに激突して競走を中止していた人馬が、同じ競馬場で会心の勝利を決めた。1番人気
アストラエンブレムは2着。3着には逃げた
マイネルハニーが踏ん張った。
人馬にとって、待ちに待った日がやってきた。「うれしいですね」-。浜中は
ダッシングブレイズとの久々の勝利の味をかみしめた。
ハニー、ミラノの“マイネル”2騎が引っ張る流れ。その直後に位置すると、直線では2頭の内に進路を取り、ラスト1F過ぎで先頭へ。最後はこん身の手綱で、外から迫る1番人気馬を半馬身抑えた。「坂を上がって一番苦しくなるところで、もう一段頑張ってくれた」。パートナーの踏ん張りをねぎらった。
悪夢を振り払う会心の勝利だ。3連勝中の勢いを駆って挑み、1番人気に推された昨年2月の
東京新聞杯。迎えた直線残り400メートル過ぎだった。最内から抜け出しにかかったところで内ラチと接触し、
バランスを崩すと、さらにもう一度ラチに接触して落馬転倒。浜中は左橈骨遠位端骨折など4カ所を骨折する重傷で、長期の戦線離脱を余儀なくされた。
落馬後は2度手綱を取ったが、結果を出せず。悔しい思いをしてきただけに、「馬にも申し訳ないことをしましたからね。もう一度勝てれば、お互いにまた頑張れると思っていた」と時折、言葉を詰まらせながらうなずく。そして「これでもっと大きなところへ向かっていけます」と気持ちを新たにした。
吉村師も感慨深げだ。「もっと早く重賞を勝たせなければならなかった馬。何とか(浜中)俊で勝ちたかったからね」と笑みがこぼれた。1800メートルを克服し、「2000メートルにもまた挑戦してみたい」と意欲を見せる。同じ競馬場で1年4カ月前の“リベンジ”に成功したコンビが、中距離戦線を盛り上げていく。
提供:デイリースポーツ