「
宝塚記念・G1」(25日、阪神)
1990年以降、
宝塚記念が11頭以下で行われたのは5回。その結果をひもとくと“前走G15着以内敗退からの巻き返し”というキーワードが浮かび上がる。連勝で初夏の
グランプリを制したのは00年
テイエムオペラオーだけ。残る勝ち馬4頭は前走のG1(3頭が
天皇賞・春)で敗退しながらも掲示板を確保していた馬だ。今年該当するのは
天皇賞・春2着馬
シュヴァルグラン。ここで反撃を決め、G1初制覇を成し遂げるか。
打倒ブラックへ-。今季ここまでの2戦はともに銀メダル。王者撃破の最右翼に名乗りを上げた
シュヴァルグランが、
天皇賞・春からの巻き返しとG1初制覇に燃えている。
G1未勝利の身ながら、ファン投票3位(5万5225票)の支持を受けて出走する大一番。春盾では
キタサンブラック対
サトノダイヤモンドという2強対決ムードが漂うなか、しぶとい走りでG1馬2頭に割って入った。担当の津田助手は「昨年のキタサンなら勝てるのではと思って出したけど、相手も力をつけていた。内容は良かったです」と振り返る。
中間は短期放牧を挟み、その後は十分な乗り込み量を消化してきた。「前走後は疲れを抜いてから立ち上げたので、“しっかり負荷をかけること”に重点を置いてやってきた。坂路での調教で、トモの甘さが徐々に解消されてきた」と好気配を伝える。1週前は栗東CWで6F81秒1-12秒6と上々の動きを披露した。「ジョッキーが乗ってスイッチが入った感じ」。着々と態勢は整いつつあるようだ。
今年は9着に終わった昨年よりも1戦少ないローテ。余裕のある臨戦過程は特筆すべきだろう。「昨年は1カ月前に帰厩して、今年は1カ月半前に帰厩。その分、ゆとりを持って調整できるし、馬の様子を見られる期間が取れますからね。体はいいところまで持ってこられたし、昨年とは全然違いますよ」と仕上げ人は自信をのぞかせた。
姉は13、14年
ヴィクトリアマイル覇者
ヴィルシーナ、妹は昨年の
秋華賞、今春の
ドバイターフを制した
ヴィブロスだ。
ダンシングキイ産駒(
ダンスパートナー、
ダンスインザダーク、
ダンスインザムード)以来、2例目となる3きょうだいでのJRA・G1制覇も懸かる一戦。大器がいよいよ、無冠返上を果たす。
提供:デイリースポーツ