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宝塚記念・G1」(25日、阪神)
G1・3連勝で上半期を締めくくる。ファン投票1位の
キタサンブラックが21日、栗東CWで最終リハ。土砂降りの中、馬なりの手応えでパワフルな動きを披露し、3頭併せで貫禄の走りを見せつけた。今季はG1に昇格した
大阪杯を完勝し、続く
天皇賞・春はレコードV。現役最強馬の進化はまだまだ止まらない。なお、22日に出走馬と枠順が決定。馬券は24日に前日発売される。
激しい雨も、重たいチップも何のその。満を持して、僚馬2頭に襲いかかった
キタサンブラックの姿はまるで重戦車のようだった。
朝一番の栗東CW。3頭併せの最後方を進み、ラスト1Fで先行する
パリンジェネシス(3歳未勝利)と
ワキノヒビキ(5歳1600万下)を勢い良くとらえた。だが、調教役を務める黒岩の手綱は持ったまま。「ソラを使うので早く抜け出さないように。同入でいいと思っていた」。その説明通り、闘志を内に秘めながら、最後は余力十分に
フィニッシュラインを越えた。
6F82秒8-40秒2-12秒2。黒岩が続ける。「(6F)82〜83秒でとの指示。去年は結構ピリピリしていましたが、今は落ち着きがあっていい雰囲気です」。馬なりながらも“すごみ”を感じさせる動き。さらなる進化を見届けた清水久師は「馬場が悪いなか、しっかりと伸びていた。しまいの反応も良かった」と納得の表情だ。
今季はG1に昇格した
大阪杯を貫禄V。続く
天皇賞・春では
ディープインパクトの記録を0秒9更新するレコードタイムで連覇を達成した。五つ目のG1を手に入れ、主戦の
武豊は「強い馬だと再認識した。すでに名馬と言っていいと思う。昨年の
大阪杯からコンビを組ませてもらっているが、当時に比べて本当に強くなったと思う」と感心しきりだ。
本格化した今、視線の先には海外遠征がハッキリと見えている。主戦は「春の目標のレースを全て勝つことができれば当然、選択肢に入る。そうなればいいと思う。まずはここに全力投球」と昨年3着に敗れた舞台でV宣言。10万1621票の熱い声援に「ファンを喜ばせたいという気持ちはなお一層、強く思いました」と世界挑戦の夢を描き、“上半期V3”締めを誓った。
提供:デイリースポーツ