「プロキオンS・G3」(9日、中京)
“園田の虎”がJRA勢に牙をむく。5月の交流G3・
かきつばた記念で、後続に4馬身差をつける圧勝を決めた園田競馬の
トウケイタイガー(牡6歳・
住吉朝男厩舎)が、今度は中央のタイトルを標的にしてきた。勝てば同競馬所属馬としては初のJRA重賞制覇。自慢の快速ぶりを武器に、歴史にその名を刻み込む。
園田に移籍後、進化を続ける
トウケイタイガーが中央重賞に殴り込みをかける。中央で17戦3勝の成績を残して昨年移籍。転入5戦目の今年2月に園田
ウインターCで初重賞Vを飾り、地元で5戦4勝の戦績に。高知に乗り込み、JRAの強敵に挑戦した次戦の交流G3・
黒船賞では6着に敗れたが、その後は3連勝を飾ってきた。
特に強さが目立ったのが名古屋での2戦だ。3走前の
東海桜花賞では単勝1・3倍の支持を集めた全国区の地元馬
カツゲキキトキトを下してV。その勢いで臨んだ前々走の交流G3・
かきつばた記念がさらに圧巻だった。
積極的にハナを奪うと、JRA勢の執ようなマークも何のその。52キロのハンデも利して、直線では一気に4馬身差をつける圧勝を決めた。「ゴールデンウイーク中で普段の倍以上の輸送時間がかかり、正直いい状態とは言えなかった」。鞍上の川原正(今回は国分恭)が振り返ったように、完調ではないなかでの交流重賞初制覇。中央重賞Vに期待が増すのは当然だろう。
「
東海桜花賞時に比べれば、もう一歩の状態。それでもあんな勝ち方ができるなんてすごい馬です。本当に驚きました」と振り返るのは
住吉朝男調教師。「落ち着きがあって物おじしないのが長所。レースではスピードがあって前に行けるのがいい。ここでいい競馬ができれば、JBCス
プリント(交流G1、11月3日・大井)も見えてきますからね。期待したい」と、さらなる大舞台に思いをはせる。
JRA在籍時は1000万クラスで終わった
タイガー。大井に所属する全兄の
ソルテは昨年度のNAR(
地方競馬全国協会)
年度代表馬に輝いた。弟も負けてはいられない。園田競馬初の快挙を狙い、中央の強豪に襲いかかる。
提供:デイリースポーツ