GIII
プロキオンS(9日=中京ダ1400メートル)で、おそらく1番人気になるであろう
カフジテイクを管理する湯窪調教師が、メンバーを見渡したうえで、ある1頭に警戒を強めていた。
「あれだけかかっていたのに、最後はすごい脚で差し切ったからな〜。あの競馬は強かった」
最大のラ
イバルに指名されたのは
エイシンバッケン。欅Sの勝ちっぷりに脅威を感じたという。
もともと、かかり気味になることも多い馬だが、確かに前回は道中、抑えるのに苦労するほどの行きっぷり。スムーズに折り合った際にはどれだけの脚を使えるのか?
いずれにせよ、道中の折り合いがカギを握りそうだが、当の
エイシンバッケンを管理する中尾調教師は前走をこう分析している。
「普通にレース映像を見るだけでは分からないだろうけど、スタートした後に、隣の馬に寄られてぶつけられているんだ。ウチの馬がいなければ、たぶん(
ノウレッジに騎乗していた)柴山は落ちていたんじゃないかな。しかも、それだけでは終わらなくて…。内からおっつけて大外に出てくる馬がいて、前をまともにカットされた。いわばダブ
ルパンチ。あれで馬が怒ってしまったんだ」
パトロール(フィルム)でチェックすると、確かに中尾調教師が指摘した2つの事象がしっかりと映っていた。前半ですっかりリズムを狂わされながら、それをはねのけて快勝してしまったのだから、湯窪調教師が警戒するのもよく分かる。
「1600メートルまで距離は持つには持つけど、ベストは1200〜1400メートル。使える重賞となると数も限られるし、ここしかないと思ってやってきている」と
プロキオンSにかける意気込みを語ったのは中尾調教師。
昨年の夏至S(1600万下)でカフジ1着、エイシン3着だったのを皮切りに、今年のGIII
根岸Sもカフジ1着、エイシン3着、そしてGI
フェブラリーSではカフジ3着、エイシン4着。過去3度の直接対決では、いずれも
カフジテイクの後塵を拝している
エイシンバッケンだが、今回は相手がドバイ帰りの休養明け。しかも斤量は自身が1キロ軽い。「今度はいい勝負になる」と感じずにはいられない坂路野郎である。
(栗東の坂路野郎・高岡功)
東京スポーツ