「最高気温28度の予報だったのに、実際は32度だったからね。いや〜暑かった」
こんなことを言うのは先週の中京競馬に担当馬を出走させた知り合いの調教助手だ。肝心の競馬では2着に好走してくれたそうだが、あがってくるなり馬はフラフラ。軽い熱中症の症状が出ていたので、慌てて水をかけたのだという。
実際、倒れた馬がいたという話も聞いたし、特に気温がより高かった日曜は熱中症になった馬が少なくなかったのだとか。こんな話を聞くと、いよいよ“夏競馬が始まった”と実感させられる。これからはまさに「格よりデキ」。暑さに参っていないかどうか、しっかりチェックしておかなくてはならない(まあ、分からないことも多々あるのだが…)。
そんな意味で言うと、気がかりなのは
七夕賞に出走する関西馬。記者が聞いた中で危うそうな馬が2頭いた。
「暑さにはあまり強くないタイプ。この時期にトレセンにいたことは今までなかった」と
スズカデヴィアスの児玉助手。同じように「夏場は本来、強くないタイプ」と木戸助手が話していたのが
フェルメッツァ。ともに「今年は暑さがマシなので、今のところ我慢できている」とのことだが、先週の中京のように競馬当日になって一気に気温が上がることだってある。福島まで長距離輸送した後、現地でずっと状態を維持できるかどうか、注視しておかなくてはならないだろう。
格よりデキで言うなら面白いのは
タツゴウゲキだ。「以前はトモに疲れが出やすかった馬が、ここにきてしっかりした。状態? 中1週でも使うのはデキがいいからこそ」と折間助手。自己条件(土曜福島・
阿武隈S)にも登録がありながら、格上挑戦に踏み切ったのはそれだけ勝算があるからこそだろう。52キロの伏兵の一撃を期待したい。
(栗東の坂路野郎・高岡功)
東京スポーツ