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「超高額馬は走らない」――5億8000万円馬は“ジンクス”破れるか/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2017年07月14日(金) 18時00分
 週中の栗東トレセンでの一番の話題はやはりセレクトセール。なかでも日本のセリ史上2番目の高額=5億8000万円で落札されたイルーシヴウェーヴの17(牡)への関心度は群を抜いて高かった。

「(近藤利一氏と)最後まで競り合った里見(治)さんは、あの馬の前に落とそうと、手を挙げていた馬も競り負けていたから、余計に意地になって値段が上がっていったんだと思う」

「ペイできるかどうか? あれは一種のお遊びみたいなもの。お金がそれだけあるということなんだろう」

 いろんな声が飛び交っていたが、なかでも多くのトレセン関係者が口にしていたのが「セールの超高額馬は走らない」という、これまでの“あしき”データだ。

 過去の国内のセリで記録した高額取引馬ベスト5のうち、未勝利で終わった馬、1戦1勝で引退してしまった馬がそれぞれ1頭。史上最高額だった6億円馬ディナシーに至ってはデビューすらせず、引退しているのだから恐ろしい。

「高額馬を競り落としたオーナーの名前を見てみれば分かる。毎年、顔触れが変わっているからね。高額馬がそれに見合う結果を出しているなら、翌年も同じオーナーが高額馬を買うはず。だけど決してそうじゃない。そこが競馬の難しさなんだ」とは2000年のセレクトセールで3億2000万円という破格値をつけたカームを中央時代に管理した中村調教師だ。

 とはいえ、もちろん、こんな声もある。

「とんでもなく高かったけど、確かにあの馬は素晴らしかった。そりゃ、あれだけの人たちがあそこまで競るんだから、いい馬には間違いないよ」

 果たしてイルーシヴウェーヴの17が、どういう成長を遂げてトレセン入りし、そして、どんな走りを見せてくれるのか。今から興味が尽きないところではある。

(栗東の坂路野郎・高岡功)

東京スポーツ

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