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浦和からダート短距離の頂点目指すブルドッグボス/クラスターC回顧(斎藤修)

  • 2017年08月16日(水) 21時15分
 ダートに転向してオープンまで4連勝中だったサイタスリーレッドと、地方のJpnIIIで3着、2着だったショコラブランが、ともに単勝2倍台で人気の中心。地元戦の連勝はともかくJpnIIIとJpnIIで5着、5着だったラブバレットと、地方転厩初戦が3着だったブルドッグボスがやや離れての3、4番人気。しかし着順の数字だけが実力を表すものではない、という結果だった。

 ダノンレジェンドが引退して、コーリンベリーが骨折休養中という現在、ダート短距離路線は層が薄くなっている。それゆえ今回、クラスターCの出走馬でグレード勝ちがあるのは2年前にカペラSを制したキクノストームだけ。翌日の佐賀・サマーチャンピオンの出走馬を見ても、前年の覇者グレイスフルリープと9歳のレーザーバレットだけ。いずれも勝っているのはGIII/JpnIIIだ。

 サイタスリーレッドが二の脚のダッシュでハナを奪い、今回も抜群のスタートを決めたラブバレットは控えて外の2番手。スタートがあまりよくなかったブルドッグボスだが、それでも軽く仕掛けただけで無理することなく内から位置取りを上げてきた。ブルドッグボスラブバレットは、内外で並走するような形で2番手を追走した。

 サイタスリーレッドは4コーナーを回るところでも抜群の手応えで、ラブバレットも手応え十分のままこれをとらえにかかった。ラブバレットにとっては、昨年、ダノンレジェンドに並びかけていったのと同じようなタイミングだ。昨年のダノンレジェンドは60kgを背負っても直線の坂から恐るべき伸びを見せが、サイタスリーレッドは坂を上がったあたりで脚色が一杯になった。

 振り切ったラブバレットが一瞬は勝ったと思ったところ、追ってきたブルドッグボスがクビ差とらえたところがゴール。昨年の2、3着馬が、ダノンレジェンドが抜けて1、2着に繰り上がったという結果だった。

 この日行われていたヤングジョッキーズシリーズの第1戦、1200m戦が、C1級という下級条件ながら1分12秒9という速いタイムが出ていたので、雨が上がって適度に湿った馬場で、1分9秒台の決着になるかとは思っていたが、1分8秒8というコースレコードでの決着にはちょっと驚いた。前・後半3Fごとのラップタイムが34秒4 - 34秒4という、速い流れのイーブンペース。直線に坂のあるコースで、勝ったブルドッグボスの34秒1という上がりはすばらしい。

 ブルドッグボスの馬体重が前走から-16kgで、デビュー時以来最低の506kgというのを不安に思った向きもあるだろう。しかし輸送をともなう遠征競馬で-20kgくらいまでの馬体減は、小久保流の渾身の仕上げだったと思われる。結果がともなうかどうかは別として、過去にもそうしたことが何度か見られた。転厩初戦の前走、習志野きらっとスプリントの3着でおそらく人気を落としたと思われるが、直線よく伸びたものの脚を余した感じで、初めての1000mは短すぎた。ここまでグレードタイトルがなかったとはいえ、1200mのオープン特別3勝はダテではなかった。GI/JpnI級不在のダート短距離路線では、今後は中心的存在となりそうだ。

 悔しかったのはラブバレットだろう。人気馬をみずから負かしにいって競り落としたものの、うしろから来られてしまった。一昨年、昨年と3着だったように、コーナー2つの1200mはもっとも得意とする舞台。しかも今回はチャンピオン級の馬がいないというメンバー。それが地元でということであれば千載一遇のチャンスだったのだが。

 緩みのないペースで逃げたサイタスリーレッドは、さすがに最後は脚が上がり、後半3Fは34秒7かかって3着。それを考えると、ぴたりと直後をついていって34秒3で上がったラブバレットはすばらしい能力を発揮した。サイタスリーレッドの4連勝は阪神、京都でのもの。今回は逆(左)回りということのほかに、初めての地方の舞台はさまざまに異なる条件もあっただろう。

 ショコラブランは得意の1200mならと期待されたが、馬群の中に入ってしまうと頭を上げるなど行きっぷりがよくない。後半3Fが34秒3としっかり脚を使っているものの、前にいた1、2着馬も同じように伸びているのでさすがにそれをさらに上回る上がりで差し切るのは無理というものだろう。

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