全国的に大雨や日照時間が短いといった報道の多い天気。栗東も例外ではなく、雨の降る日が多かったり、曇り空も多い。湿度も高いので、さすがにウッドチップは乾きにくい状況。坂路馬場に関しては、先週に比べると時計を要している印象はある。ただ、Cコースに関しては表面上だけでもウッドチップが乾いていて、ある程度時計が出ている。
【坂路/4F51.9秒】
16日。一番時計は4F50.2秒のユウジ(栗東・
森秀行厩舎)。4F50秒台はこの馬しかおらず、4F51秒台も8頭だけ。ただし、4F目で12秒を切ったのは5頭いるので、前半をゆっくり入れば時計を出すことができる馬場状態ではある。
確かに前半ゆっくり行けば時計が出るのは間違いないのだが、それでも評価したい内容だったのは、2歳新馬の
オーロスターキス(栗東・南井克巳厩舎)。新馬との併せ馬だったが、相手を先にやって追走する内容。その際、鞍上の川島信二騎手が懸命に手綱を引っ張って行こうとするのをなだめる。決して格好のよい前半ではなかったが、手綱を緩められた後半は矢のような伸び。図抜けたスピード能力をコントロールすることが難しいようだが、まともに走れば、あっさりとデビュー勝ちを決めることができる素材だろう。
17日。一番時計は4F50.8秒の
チュウワフォース(栗東・
大久保龍志厩舎)。2回目のハローが終了した時間帯での追い切りだったが、併せ馬でテンから飛ばしていって最後は止まり気味。この動きを見ていても、簡単に速い時計が出る馬場というわけではない。
先週の馬場差は「-0.4秒」。今週は間違いなく先週よりも時計が出にくい状態。ただ基準時計よりも遅くなるほど重い馬場ではないので、今週の馬場差は『±0.0秒』で16日、17日とも記録している。
【CW/5F66.5秒】
16日。たっぷりと水分を含んだウッドチップだったため、5F63秒といった速すぎる時計は出ていなかった。しかしながら、全体的な時計の出方を見ると、5F65秒台はそれなりの頭数がいて、馬場のイメージほど走りにくさはない。
とはいえ、力がなければ速い時計は出ない。今週の新潟芝1600mでデビュー予定の
ラッキーライラック(栗東・
松永幹夫厩舎)は3頭併せを後方から追いかけて、最後の直線は真ん中。追われるとしっかり伸びて、最後は最先着。時計も6F82.0秒、1F12.0秒と速く、デビュー戦だけでなく、将来的にも楽しみな器といってよいだろう。
17日。今年5月の
かしわ記念2着から休養していた
インカンテーション(栗東・
羽月友彦厩舎)が復帰に向けた15-15の追い切りを開始。無理はせず、ゆったりとしたラップを踏みながらの1周半だったが、向正面で見せるフットワークはさすが。ただ、最後の直線は好調時の雰囲気には遠く、やはりこれからピッチを上げていってといった感じ。時間を要するかも知れないが、まだまだダート重賞4勝の実績は色褪せていない。
先週の馬場差は「-0.5秒」。あまり雨の影響を受けていないとはいえ、さすがに先週よりは時計を要する状態。よって、馬場差は16日、17日とも先週と同じ『-0.2秒』で記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週の芝馬場は16日が西浦勝一厩舎と
寺島良厩舎の併せ馬が1組ずつ。17日も併せ馬での追い切りがあったが、大きく取り上げたいのは、
新潟2歳S(8月27日・新潟芝1600m)に出走予定の
フロンティア(栗東・
中内田充正厩舎)の3頭併せ。
シャプレドサクレが先行して、後ろから2歳の
フロンティアと
ノーブルスピリットが追いかける流れ。最後の直線は
フロンティアが真ん中に入ったが、追い出されるとしっかりと伸びて先着。時計は6F81.5〜5F64.7〜4F49.3〜3F35.7〜1F12.0秒と後半が速い。なお、レースでの鞍上は追い切りにも騎乗した
岩田康誠騎手が予定されている。
芝の状態はさほど悪い印象はないので、馬場差は16日、17日とも『±0.0秒』で記録している。
ポリトラック馬場は適度な水分を含んでいるので、かなり走りやすい状態。追い切り頭数はいつもと変わらず多くないが、3F時計の速い馬が目立っている。馬場差は16日、17日とも『-1.5秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・写真:井内利彰)