「
北九州記念・G3」(20日、小倉)
小倉の芝で
キングハートが軽快な動きを見せた。
函館スプリントS2着後は、列島を縦断し、北海道から美浦を経由して九州・小倉にやってきた。デビュー20年目で悲願の重賞初制覇を狙う中谷雄太(37)=栗東・フリー=を背に、ラスト1F11秒1の好タイムで最終追いを終えた。
函館スプリントS2着から美浦へ戻り、列島を縦断して11日に小倉入りした
キングハートが17日、芝コースで臨戦態勢を整えた。角馬場での丹念なウ
オーミングアップを終えると落ち着いた様子で芝コースへ。切れのあるフットワークを繰り出して加速すると、4角手前でギアを
チェンジ。5F68秒3-37秒6で、ラスト1Fを11秒1という時計で、好調を伝えた。
「4コーナー出口でグッと行こうとしましたが、あとはフワフワした面を見せていました。それでも最後はこれぐらいの時計が出るのですから、能力があります」というのが中谷の感触。長距離輸送をしたことによる疲れは完全に取れたようで、「普段の雰囲気からかなりいい状態にあるのは確かだと思います。走るたびに強くなっていますし、競馬が上手ですからね」と信頼を寄せた。
デビュー20年目を迎えた中谷だが、残念ながら、まだ重賞のタイトルはない。「重賞に乗っても浮足立つことはなくなってきました。これまで乗せていただいた多くの関係者の方々に感謝しなければいけない。そう思っています」。そう話す姿に気負いは感じなかった。
キングハートが未勝利を勝ったのは、2年前の11月。導いたのは、中谷だった。さあ勝負の時。そこから始まった
サクセスストーリーは、夢の詰まった第2章へと続く。
提供:デイリースポーツ