「小倉2歳S・G3」(3日、小倉)
“ナツコク”の主役は、やはりこの男だった。
武豊騎乗の3番人気
アサクサゲンキが、好位から鮮やかに抜け出し、重賞初Vを飾った。鞍上は
ダイアナヘイローで制した
北九州記念に続き、今夏の小倉重賞は2戦2勝。開催リーディングこそ1勝差で幸に譲ったが、2位の計14勝で小倉ターフ賞にも輝き、「いい形で締めくくれたし、秋も頑張りたい」と白い歯をこぼした。
完璧なエスコートだった。好発から3番手へ。直線は荒れた内を避けて外に出すと、左ステッキで力強い末脚を引き出した。「手応えも良かったし、早めに先頭に立っても、押し切ってくれると思った。競馬は初めて乗ったけど、一戦ごとに良くなっている」と高評価だ。
前走でコンビを組んだ
イイコトズクシと両方に乗れる状況で、音無師は、騎乗馬の選択を鞍上に委ねた。「豊の方が見る目があったな」と舌を巻く。師はこの勝利で、四つある小倉平地重賞を完全制覇。史上4人目の記録達成に「知らなかった。今初めて聞いた」と目を丸くして笑った。
今後は放牧を挟んで京王杯2歳S(11月4日・東京)から、
朝日杯FS(12月17日・阪神)を目標に。名手は「やんちゃなところがあるし、そういう意味で伸びしろもある」と将来性を買う。元気いっぱいの小倉2歳王者は、次は世代の頂点を目指して走り続ける。
提供:デイリースポーツ