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【2歳戦を総括】ルメールの含み笑いに込められたロックディスタウンの大物感/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2017年09月07日(木) 18時30分
 6週間に及ぶ札幌出張から帰還。今週から“通常業務”の美浦取材がスタートする。夏のローカル競馬終了は、重厚感ある秋開催への突入を意味するが…。気持ちをリセットする前に、今夏の2歳戦を当欄なりに総括してみたいと思う。

 まずはムスコローソの森信次郎厩務員に「仕上がりには自信が持てる」と電話口でささやかれ、すっかり当方がその気になった新潟2歳Sから。前半4ハロン49秒3。これはマイル施行となった02年以降、最も遅い通過ラップ(次位は48秒8=2004年)。道中ブービーに位置したムスコローソの敗戦はその時点で覚悟したが、同馬を含む出走馬全体の完成度の低さこそが、新馬戦の延長のような展開を生んだのか。

 画面から伝わったのは、各馬の手探り感。上がり3ハロンを32秒9でまとめた優勝馬フロンティアの力量を否定するわけではないが、まだクラシック級のスケールが見えない。それは勝ち時計(1分09秒1)が08年(デグラーティア)と並ぶ過去10年ワーストタイだった小倉2歳Sも同様だ。

 ならば今年の2歳世代は全体的に低調なのか? いや、決してそんなことはないだろう。そう思わせたのが牝馬ロックディスタウンが勝った先週の札幌2歳Sだった。こちらも勝ち時計1分51秒4は良馬場における過去10年のワースト(次位は09年ブライトエンブレム=1分50秒0)。数字だけ見れば、凡戦の域を出ないが…。

「前回(新馬=新潟芝外1800メートル)の時は反応がすごく速かった。彼女は跳びが大きく、エンジンがかかってからの馬。今回は、それに比べたら遅かった。本当は広いコースが良さそう。例えば東京とかね。ムフフ」

 鞍上クリストフ・ルメールの言葉を借りれば、こちらは完成度や適性でなく、素質でつかんだ勝利。真価発揮はこれから…。その感触が最後の含み笑いにつながっている。

 もっとも、クビ差2着ファストアプローチを尺度にすれば、今年の札幌こそスター候補の宝庫だったかもしれない。同馬が4番人気(単オッズ8.9倍)に止まった理由。それはおそらく他に札幌で勝ち上がった馬の輝きが強烈で、現地・札幌の5馬身差圧勝(未勝利)さえかすんで見えたせい。出走すれば1番人気に支持されたであろう馬は札幌の新馬勝ち上がり組に何頭もいた。当時感じた“まぶしさ”が本物か否か。それを占う秋競馬がやってきた。

東京スポーツ

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