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牝馬は食べて強くなる 馬券の魅力はカワキタエンカ/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2017年09月13日(水) 19時00分
 あらゆる生物にとって食はすべての源だ。食がしっかりしていなければ頑丈な体もつくれないし、疲労からの回復も遅い。2014年の秋華賞を勝ったショウナンパンドラは3歳春まではきゃしゃなタイプだったが、夏を境にカイバ食いが旺盛になり、馬体が男馬のように変化していったそうだ。それがGI馬に上り詰めるために必要だったことは想像に難くない。

「中にはカイバを食べずに勝つような馬もいるんでしょうけど、だいたいGIを勝つような牝馬はしっかりとカイバを食べているものですからね」とは同馬を管理した高野調教師。

 例えば、牡馬相手に有馬記念を勝つなど、GIを4勝したダイワスカーレットは「カイバを牡馬勝りに食べながらも、目線は落とさずに周囲をチェックしていた。自分のテリトリーに入ってくるなと威圧するようなオーラがあった」と松田調教師は振り返る。

 上位3頭に10・15秋華賞の優先出走権が与えられる日曜(17日)のローズSショウナンパンドラのように、ひと夏を越してカイ食いが良好になり、心身ともに成長している馬がいれば、もちろん要注目だが…。今年、ファンディーナを送り出す前出の高野調教師は「春に比べれば、かなりカイ食いがしっかりしてきた」と言う一方で「夏が暑かったこともあり、立ち上げるのが少し遅れた」とも。春の詰まったローテから解放された今回、どんな走りをするかは大いに気になる。それでも、賞金を持っている事情も加味すれば、勝負はあくまで次のGIになるだろうか。

 カワキタエンカが面白い。この夏は「カイ食いが以前より良くなって、残さず食べるようになった」と竹下キュウ務員。そのおかげだろう。「前走(三面川特別2着)は暑い新潟への遠征だったし、栗東に帰って体が減るかと思ったけど、ガレることもなく体はむしろ、ふっくら。使って確実に良くなった」

 2勝馬であくまで抽選対象だが、だからこそ出走がかなえば、3着以内に入らなければ本番がないという勝負駆けの状況でもある。しかも休み明けの有力馬に対して、ひと叩きした強みもある。

 後がない勝負に打って出るこの馬が強敵相手に大駆け…名手・横山典が鞍上という“一流のスパイス”も加味すれば、あり得ないストーリーではない。

(栗東の坂路野郎・高岡功)

東京スポーツ

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