「ローズS・G2」(17日、阪神)
3歳牝馬最後の1冠を見据え、ふがいない走りは見せられない。
ファンディーナが13日、栗東坂路を余力十分に登坂。高野師いわく「100%ではない」出来だが、前哨戦クリアに十分な調教量をこなしてきた。
皐月賞に挑んだ素質馬が、牝馬同士の一戦で地力の高さを見せつける。
あえてソフトな調整に終始した。牝馬による69年ぶりの
皐月賞制覇に挑んでから5カ月。7着敗退からの巻き返しを期す
ファンディーナは、栗東坂路で
タイセイレガシー(3歳未勝利)と馬体を併せ、ウッドチップの感触をじっくりと確かめるように馬なりで登坂。最後まで緊張感を保ちながら、しなやかなフットワークでパートナーと併入した。
タイムは4F55秒0-40秒0-12秒4。高野師は「やり過ぎないように、それでもきっちりと馬体を併せるという調整をしました。イメージ通りの調教ができましたよ。ここまで一杯に追うことはしていないですが、本数は重ねてきましたから」と納得の表情を浮かべた。
デビューからフラワーCまで圧巻の3連勝。それゆえに今春は周囲の期待ばかりが先行していた。指揮官は「春は無理した調整ができない状況になってしまいましたからね。でも、今は体の維持に苦労しなくなった」と前向きに話す。
一方で不安も残る。夏の暑さの影響で調整が遅れてしまった点だ。「体調は春よりはいいですが、100%ではない。(調整の)立ち上げが遅くなったのは確かですし、急仕上げの印象は否めません」と率直に語りつつ、「走れない
シルエットではない。コンディションは春よりも今回の方が上です」と自信も口にした。
現状は完調ではない。だが、それを補って余りある才能を秘めている。ここは真価が問われる一戦となりそうだ。
提供:デイリースポーツ