この秋、
天皇賞・秋→
ジャパンC→
有馬記念のGI・3連戦に臨む
キタサンブラックが、先週16日に栗東へ帰厩した。
今やGI出走馬でも入厩10日前後で使う時代。それに慣れたせいだろうか。秋初戦の
天皇賞・秋=10月29日まではまだまだ時間があるこの時期に戻ってくることが“随分早いな”という印象を抱かせる。
この馬自身、休み明けはレースの約1か月前に入厩するのが通常パターン。今回はそれより2週間ほど早い帰厩なのだから、若干の“違和感”があるのは当然かもしれない。
もちろん、早めに戻したその意図は「
宝塚記念があんな結果(9着)だったし、このままでは終われないですから」という清水久調教師の捲土重来を期す気持ちが表れたものだろうが…。
帰厩時期の早さよりも、もっと驚かされたのは帰厩2日後に早くもウッドでしまい重点ながら時計を出したことだ。
「やることは今までと変わっていないですよ。まだ時間もあるし、これからじっくりやっていきます」とトレーナーは平然と語るが、22日にもウッドで時計を出す予定だそうで帰厩早々、週2本の追い切りをかけることになる。レースまで1か月以上も間隔がある時点で、上がり重点とはいえ、週2本の追い切りを課す今回の調整は、栗東でも屈指のハードトレで知られる清水久厩舎の真骨頂となるかもしれない。
「秋初戦だからといって叩き台という意識はないし、万全の状態でいきたい。ファンの多い馬だし、変なレースはできないですから」(清水久調教師)
ラストの
有馬記念まで勢いを持続できるかは別にして、少なくとも初戦の秋天には、トレーナーの言葉通り、抜かりない仕上げで臨んでくることは間違いなかろう。
(栗東の坂路野郎・高岡功)
東京スポーツ