台風18号の上陸で平常開催が危ぶまれた3日間競馬も無事終了。今週から
JRAは通常モードに戻る。とはいえ、火曜(19日)全休による変則追いには続けて気を配る必要があろう。
先週
セントライト記念では、注目を集めた
セダブリランテスが追い切りを予定した木曜(14日)朝に挫石のアク
シデント。「月曜競馬でなければ、こんなことはなかったかも」と担当の田中良太助手は唇をかんだが、普段通り水曜追いを貫いた
ミッキースワローが勝ったことが、その明暗を際立たせた。追い日を含む調教の成否は、今週も大きなポイントになりそうだ。
さて、日曜中山メーン・
オールカマー。火曜に馬場入り申請をしたのは、
タンタアレグリアと
マイネルミラノの2頭。通常メニューへのこだわりが、そこに表れている。とりわけ
タンタアレグリアは骨瘤が長引いて、今回が8か月ぶりの実戦。アメリカJCCを制した得意舞台=中山2200メートルに向けて、しっかり態勢を整えたいところだが…。
「脚元はもう固まっているけど、一応、大事を取って坂路主体の調教を重ねてきた。仕上がり? う〜ん、何とも言えないな。同じ8か月ぶりでも前走(アメリカJCC=1着)は稽古をしっかりやって中身もできていた。今回は馬体に、もうひと張り欲しい気がするんだ」
管理する
国枝栄調教師の言葉は少々頼りない。
「体もそうだけど、いい時は気持ちの部分も、はじけるタイプ。まだ心身ともエネルギッシュさが、ひと息」という佐藤勝美助手の視点も合わせれば、週末の気配次第で脚慣らしに終わる可能性も否定できない。調整過程にスポットを当てれば、同じ休み明けでも、これまでの“10日競馬”のパターンを変えて早めに入厩した
ルージュバックの意気込みが怖い気がする。
一方、夏競馬の延長としてこの一戦を見るなら、「取り消した弟の分まで」と
手塚貴久調教師が“リベンジ”を誓う
セダブリランテスの兄
モンドインテロにも注意は必要だろう。
「夏のテーマとした
札幌日経オープン連覇は達成できましたが、重賞はこれまで7戦して3着が最高着順。その壁を何とか打ち破ろうというのが今回のテーマです。サラブレッドが充実する秋。得意の右回りで使われた強みを生かしたい」と担当の藤井省二助手。メンバーを見渡せば、自在性を武器にできそうな組み合わせ。ひと皮むけた走りを見せられるか注目である。
(美浦の宴会野郎・山村隆司)
東京スポーツ