GII
京都大賞典(9日=芝外2400メートル)に出走を果たせば、重賞への連続出走が実に37戦。自己が持つ
JRA記録をさらに更新する9歳牡馬
ヒットザターゲットの敢闘精神には頭が下がる。
一方で7歳牝馬にして、いまだに第一線で好勝負を演じ続けている
スマートレイアーも大したものだ。7歳以上の牝馬で牡馬混合の平地重賞を勝った例となれば、2002年のGIIIガーネットSで鮮やかな差し切りを決めた
ブロードアピール(8歳)までさかのぼらなくてはならない。それだけまれな挑戦、記録となるのだ。
「これまで数を使わず大事に育ててきたからね。そのおかげで今もこれだけ走れているんだと思う」と管理する大久保調教師は“長持ち”の理由を説明する。
とはいえ、同世代のラ
イバルの大半が引退した中、この馬の“
ネクストライフ”が頭をよぎることも多くなった。
「長く現役生活を続けているといっても、数を使っていないので、繁殖牝馬としても、きっといい子を出してくれると思うからね。もろもろ考えると、7歳の今年が最後のチャンスになるかもしれない」
「最後のチャンス」とはもちろんGIタイトル奪取だ。これまで海外を含め、8度挑戦して
秋華賞の2着が最高。この高いハードルを突破するため、例年なら秋は
府中牝馬S(東京芝1800メートル)から始動していたが、今年は「目標となる
エリザベス女王杯(京都芝外2200メートル)に、より近い設定を意識した」ことで、この
京都大賞典からの始動に。その背景には「年を重ねて落ち着きが出たことで、折り合いがつけやすくなった」精神的な成長もある。
年齢を重ねたせいか、近頃さらに見た目が白くなったように映る
スマートレイアー。担当の加藤助手によれば「ボロの上で寝るのが好きなので、その汚れを取るための手入れが大変なんだ」とか。そんなおちゃめな面も併せ持つ7歳牝馬の「最後の勝負」となるかもしれないのがこの秋。
スマートレイアーにとっては“
エリザベス女王杯の前哨戦”となる、この
京都大賞典で、どんな走りを見せるか注目だ。
(栗東の坂路野郎・高岡功)