「
毎日王冠・G2」(8日、東京)
大いなる野望を抱き、
オークス馬が古馬一線級に挑む。
ソウルスターリングが始動戦に向け4日、美浦Wで最終追い切り。馬なりのまま楽々と僚馬と併入した姿に、陣営は好仕上がりを約束した。
天皇賞・秋(29日・東京)での史上初の3歳牝馬Vを目指し、まずは同レース56年
フエアマンナ以来の61年ぶり制覇を狙う。昨年のダービー馬
マカヒキは栗東CWでの追い切り。復権へ向けて、好ムードだ。
超良血
オークス馬の進化は止まらない。
ソウルスターリングが、秋初戦としては理想的な仕上げで古馬に挑む。美浦Wで
シャドウチェイサー(5歳障害未勝利)を約4馬身追走して直線はインへ。促すまでもなく馬がやるべきことを知っている。スッと加速し、計ったように併入だ。
5F68秒9-39秒1-12秒8のタイムに、またがった津曲助手は「日を追うごとに良くなっている感じ。春に比べて体幹がしっかりし走りに安定感が出て来た。精神面も成長していると思う」と好感触を伝えた。
使うレースが決まっている馬は、放牧先から最低でも1カ月前に戻すのが藤沢和厩舎の方針だ。8月18日に帰厩後、新厩舎に移った環境の変化なども影響して体がガレた。しかし、涼しくなるにつれて体調はアップ。今は「
オークス時より8キロ増えた」という。
藤沢和師は「見た目にも体が大きくなった。先週、きょうともいい動き。予報では金曜、土曜と雨が降るらしい。跳びが大きいから良馬場がベストだが、開幕週だからそう悪くはならないだろう。前日に東京競馬場に入れます」と、体調面には自信を持って臨む。
ただ、古馬の壁を乗り越えるのは容易ではない。同じ3歳牝馬
スティンガーは99年の
オークス(4着)後、秋初戦に
毎日王冠を使い
グラスワンダーの4着に敗れた。同師は「簡単じゃない。3歳牝馬が古馬のG1レベルを相手にするのはキツい」と振り返る。
それでも挑むのは不安より期待が大きいから。「力のある馬だから。今後を占う一戦」と位置付ける。もちろん、
天皇賞・秋のみならず、両親が歴史的な軌跡を残した欧州遠征の夢も含めてだ。
提供:デイリースポーツ