1着馬に
天皇賞・秋(GI)の優先出走権が与えられる
毎日王冠(GII・東京芝1800m)に美浦から出走する各馬について、追い切り後の関係者のコメント。
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グレーターロンドン(牡5・美浦・
大竹正博)について、大竹調教師。
「前走の
安田記念(GI・4着)は初めてのGIでしたし、ある程度の位置取りで競馬をしたいというジョッキーの希望もあって中団からの競馬になりましたが、その分、最後は脚が止まってしまいました。上位の馬はちょっとした展開のアヤで決まりましたし、トップクラスでやれることがわかったのは収穫でした。レース後はツメと球節に疲れが出たために、ずっと在厩で軽めの調整をしてきました。
先週の追い切りは併せた相手に遅れてしまいましたが、心肺機能がまだ戻っていなかったのかもしれません。今週(10/4)は、
ナイトフォックスを追走する形でしたが、ノーステッキでフィニッシュしていましたし、田辺騎手が乗ったことでスイッチが入ってピリッとしたと思います。
これまでは少しピリピリした面がありましたが、在厩期間が長いこともあってそのあたりは解消してきました。昨秋からマイルを使ってきましたが、3歳時には長めの距離も使っていましたので、距離は気にしていません」
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アストラエンブレム(牡4・美浦・
小島茂之)について、小島調教師。
「ここ数戦はもどかしいレースが続いていますが、安定して頑張ってくれていて、馬が力をつけていますね。前走(
新潟記念・GIII・2着)後はノーザンファーム天栄に放牧に出ました。こちらに戻ってきた当初はピリピリしたところもありましたが、その後は順調に調整しています。先週は戸崎騎手が乗って追い切りました。これまでのレースでは、直線で馬がブレーキをかけている感じだったので、馬と馬の間を割る形で追い切ってほしいと戸崎騎手に話をして、その通りの追い切りができました。
今週(10/4)は2頭併せで、併せた相手の横に並べて前に出たいという意識を持たせるような追い切りをしたので、それが良い方向に出れば良いですね。動きにも余裕があり、落ち着いていて雰囲気も良かったです。普段通りに後ろから競馬をして、この強いメンバーの中でどのくらいの位置にいるのかを確かめられればと思っています。コースなど条件も合っていますし、本来のこの馬の競馬をして直線で良い脚を使ってほしいです」
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ダイワキャグニー(牡3・美浦・
菊沢隆徳)について、菊沢調教師。
「今週(10/4)の追い切りは、活気ある動きでした。先週までも十分に乗っていますし、今週は単走でやりました。レース間隔はあいていますが、中2週で臨んだダービーよりもむしろ良い感じです。気持ちの面と体幹がしっかりとしてきましたね。競馬に行って精神面がどうなるかわからないところもありますが、普段の仕草などから成長もうかがえます。
今回はメンバーが強いので、胸を借りるつもりです。スタート次第になりますが、この馬のリズムで走れればと思います」
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ヤングマンパワー(牡5・美浦・
手塚貴久)について、手塚調教師。
「前走(
関屋記念・GIII・4着)は状態は良かったのですけどね。最後は脚を使っていましたが、前も止まらなかったですし、内側が伸びる馬場で外を取った分も影響したようです。前走後は放牧に出てリフレッシュして、このレースを目標に帰厩しました。先週もしっかり追い切りましたし、今週も良い動きで、仕上がりには問題ないですね。
1800mは初めての距離になりますが、以前2000mでも好走していますので大丈夫でしょう。メンバーは揃っていますけど、積極的な競馬でどこまでやれるか楽しみですね」
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ウインブライト(牡3・美浦・
畠山吉宏)について、松岡騎手。
「先週は馬場が良くなかったので、しっかりした追い切りができなかったのですが、今週(10/4)は終いの反応も伸びも良かったです。本当に馬がしっかりしてくるのは古馬になってからだと思いますが、春よりもトモはパンとしてきました。距離は1800mくらいが良さそうですし、2000mくらいまでは大丈夫でしょう。
子供っぽい面はまだありますが、姉の
ウインファビラスよりも性格はキリキリしていませんね。春は外枠ばかりで競馬が限定されてしまいましたので、内めの枠を引きたいです。今後のローテーションを考えるのにも、力試しをするには良いメンバーだと思います」
(取材・写真:佐々木祥恵)