「
毎日王冠・G2」(8日、東京)
グレーターロンドンが初タイトル奪取に挑む。大竹師は1週前追い切り後、「併せ馬で遅れたのは初めて。まだぼけている感じ。こんなんじゃ格好がつかない」と辛口だった。が、5日の直前追い切りを終え「イメージ通り。格好良く見えた」とガ然、トーンが上がった。
崖っぷちからはい上がった精神力の持ち主だ。2年前の10月に2勝目を挙げた後、両前脚の蹄葉炎(ていようえん)が判明した。かつては死に至ると言われた難病だが、何とか乗り切り、約1年の休養を挟んで5連勝の快進撃。窪田康志オーナーが在厩調整を好むことも味方したといえる。
「あの時は駄目かと思った。幸い発見が早くて適切な処置ができた。幼い頃からあちこち弱かった馬。今も爪には一番気を使う。クッションを入れたり、蹄鉄(ていてつ)を工夫したりしている」と話す。その時から1回も放牧へ出したことはない。
ずっと在厩調整の分、調教師としての手腕が問われる。「あんまりプレッシャーかけないでよ」と言うが表情はにこやか。「絶好調だったのは(2走前の)
東風Sだけ。あの状態で
安田記念を使いたかった」。G1を獲れる馬と信じている。
完調手前でも
安田記念の前よりは順調だろう。あの時は連戦の疲れで爪に不安が出て、中間に4日ほど調教を休んだ経緯があった。「ここがゴールではない。次(
天皇賞・秋が有力)を見据えての競馬」。
オールカマーで鮮やかな返り咲きを果たした僚馬
ルージュバックに続きたい。
提供:デイリースポーツ