ロンシャン競馬場のスタンド改修に伴い、
シャンティイで
凱旋門賞が行われることが日本馬にとっては有利になる――。確かそんなことが言われていたと記憶している。
しかし、代替開催が施行された2016年の
マカヒキは14着、そして今年の
サトノダイヤモンドは15着…。“
シャンティイ版
凱旋門賞”に挑戦した「日本のエース」はともに惨敗に終わった。本当に
シャンティイは日本馬にとって有利だったのか?
「あそこは殺人コース。ロンシャンの方がまだ競馬はしやすい」
ロンシャン競馬場施行の13年
凱旋門賞に
キズナで挑戦(4着)した佐々木調教師の弁だ。
「
シャンティイの難しさは実際に歩いてみないと分からない。スタート地点から前を見ると、そこは森。いきなりカーブが始まって、途中で幅がめちゃくちゃ広くなる。それがまた3分の1ぐらいに狭くなってから下り坂。4角のコーナーもきついし、直線ではダラダラと長い上り坂が続く。かなりタフなコースだよ。だから
キズナの時は“
シャンティイに代替開催される前に使いましょう”ってオーナーに言ったんだ」
そもそも「
シャンティイ=日本馬有利説」は16年のイスパーン賞(芝1800メートル)で
エイシンヒカリが圧勝したことで一気に“定説化”したが、同馬を管理した坂口調教師も「よくあのきつい競馬場であれだけ強い競馬ができたと思う」と言うほど。
ちなみに英アスコット競馬場(
プリンスオブウェールズS6着シンガリ)の方が「もっとタフだった」と言うのだから、世界の競馬場はスケールが違う。
来年以降「
シャンティイより価値が高いし、競馬もしやすい」(佐々木調教師)というロンシャン開催に戻る
凱旋門賞で、日本馬の巻き返しを期待したいところだ。
(栗東の坂路野郎・高岡功)
東京スポーツ