もう11月になろうかというこの時期に2週連続で台風の心配をすることになるとは…。これまでの常識や“あたり前”はホント通用しませんね。この現実をしっかり受け止めて、今週末の
天皇賞(秋)について考えなければいけません。
ディープインパクト産駒らしい切れ味が武器の
サトノアラジンも、台風は来てほしくないクチです。
「やはり良馬場がいいです。今のところ、条件が揃って結果も出ているし…。こればかりは祈るしかないんですが」と担当の山元助手は渋い表情です。
サトノアラジンが走る条件とは、良馬場、包まれない枠などがありますよね。傍目には鉄砲実績があるので休み明けのほうが走るイメージがありますが、山元助手から見るとそうでもないようです。
「たまたま前哨戦でいい成績を残しているだけですよ。これだけの大型馬ですから、やはり競馬を使っていったほうが体が引き締まってきます。ただ、少々体が緩くても休み明けのほうがメンバーが薄いですから。結果として上位にきてるだけだと思います」
今がまさに充実期。
安田記念でマイルGIを勝ちましたら、もう少し距離を延ばしたところでも勲章が欲しいところです。
「東京コースは
アラジンに一番合っているし、距離も2000なら大丈夫でしょう。
アラジンは短距離馬でもないと思っています。広い馬場ならエンジンもかけやすい。あの末脚が使えれば、じゅうぶん戦えるはずです」
ディープインパクト産駒らしい、末脚が披露できるような舞台になって欲しいです。
ちなみに今週末、東京競馬場での見どころは
天皇賞(秋)だけではありませんよ。現在、東京競馬場の競馬博物館では「前略
ディープインパクト様」が開催されています。この展示はこの春、
サトノアラジンが
安田記念を勝って
ディープインパクト産駒のGI勝ち馬が30頭になったこと等がきっかけで企画された催しです。
この催事を記念して、
天皇賞(秋)当日のお昼には競馬博物館1階・馬の学び舎
ミュージアム・ホールにて「
ディープインパクト展記念
スペシャルトーク」が開催されます。
ディープインパクトを育てた池江泰郎先生、ノーザンファームで育成主任をされている横手裕二さんらが
ディープインパクトについてのエピソードをお話してくれるそうです。
ディープインパクト展の中でも“手紙”というかたちでディープへの想いやこぼれ話がいろいろと披露されていますが、こういう場だからこそ、これまでは隠されていたエピソードが語られるかもしれませんね!
なお、池江泰郎先生はお昼休みだけではなく最終レース後もパドックにも登場されるそうです。ディープの仔でサトノの馬で息子の泰寿先生が管理する
サトノアラジンの成績次第では泰郎先生の満開の笑顔が見れるかもしれません。こちらも楽しみです。
(取材・写真:花岡貴子)