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プレストウィック陣営 波瀾に自信/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2017年11月02日(木) 19時30分
 天皇賞・秋のレース直後の検量室。びしょ濡れになった平岩大典助手(大竹キュウ舎=グレーターロンドン)に“お疲れさま”の声を掛けると、興味深い言葉が返ってきた。

「この状況で馬は頑張ったんじゃないですか。今日は心肺機能の高さで勝負が決まる、そんな馬場でしたからねぇ」

 ラスト1ハロンは14秒0のもがき合い。切れ味やセンスを無力化する舞台において明暗を分けたのは、日頃表面化しない内面の強さだったろう。平岩クンの言葉通りなら、天皇賞・春レコードVの排気量を誇るキタサンブラックにはまさにウェルカムな舞台。秋ではなく春のイメージで天皇賞を予想すれば、3着馬レインボーライン(菊花賞2着)を含めて馬券も簡単に取れた一戦だったかもしれない。

 さて、今週の東京メーン・アルゼンチン共和国杯は、言わずもがなスタミナ自慢が集う一戦。「ここを使ってステイヤーズSを視野に」と語るプレストウィック武藤善則調教師のみならず、同じ路線を描く陣営は少なくなさそうだ。

 さて、その武藤師が週明けに「アルバートが強いのは分かっているけど、むしろここは3歳馬が肝なんじゃないの?」と興味深い言葉を放ってきた。きっと遠回しの逆取材だろう。56キロスワーヴリチャードは5か月ぶりで息持ち、54キロセダブリランテスは初の長距離と、それぞれ死角あり。こう告げると、がぜん意欲を見せ始めたのがその証拠だ。

「丹頂Sからのステップは昨年(10着)と同じだけど、4着から進むのと、勝って行くんじゃ弾みが違う。それに昨年は道中かかりまくって0秒8差だからね。そこも含めて長丁場は堅実だし、別定のステイヤーズSアルバートとは0秒7差。ダイヤモンドS(54キロ=5着)は明らかに太め(14キロ増)だから、3.5キロあれば差は詰まると思うんだ。もっとも上がり37秒3で丹頂Sを勝つようなタイプ。雨中の競馬が3週続いて時計がかかればなおいいね」

 芦毛ながらもまだ黒々した馬体は、その年齢(6歳)を見まがうほど。5歳時に500万からオープン入りを果たした晩成の血は、自身の毛色にもしるされている。指揮官の期待通りタフな馬場なら、ザラストロ(12年新潟2歳S)以来の重賞制覇も夢ではなさそうだが、果たして今週の馬場状況は?

(美浦の宴会野郎・山村隆司)

東京スポーツ

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