「ファンタジーS・G3」(3日、京都)
イ
タリアの若き天才に導かれ、5番人気の
ベルーガが直線鮮やかに突き抜けた。新馬戦からの2連勝で重賞初制覇を決め、
阪神JF(12月10日・阪神)へ向けて、大きく視界を広げた。鞍上のC・デムーロは、先週のスワンSに続いて2週連続の重賞Vとなった。2着には3番人気の
コーディエライト、1番人気の
アマルフィコーストは3着に敗れた。
久々に太陽の光が差し込むターフに、新たな
ヒロインが夢を描いた。勝負の直線。内で粘る
コーディエライトを
ターゲットに、
ベルーガがこん身の末脚を放つ。若き名手の鼓舞に応え、鋭く反応してラ
イバルたちをパス。そのまま先頭でゴール板を射抜いた。
「
アリガトウゴザイマス」-。来日した週にスワンS(
サングレーザー)をゲットしたC・デムーロは、2週続けてのお立ち台に、まずは日本語であいさつ。「直線はすごい瞬発力を見せてくれて、気持ち良かった。まだ2戦目ですから、3戦目はまた成長してくれるでしょう。距離は1ハロン延びても大丈夫だと思います」と、大きな瞳を輝かせ、次なる戦いを視野にマイルへの対応に言及した。
今年の2歳重賞を、ここまで2勝(新潟2歳S=
フロンティア、サウジアラビアRC=
ダノンプレミアム)の中内田師は、新たな才能の出現を「賢いのでテンションが上がることもなく、気合は入りながらもパドックでは落ち着いていました。あとはどこまで距離を延ばせるかが、今後の課題になりますね」と冷静に見つめた。
「今後は様子を見ながら」として、
阪神JF参戦には明言を避けたが、2歳女王の座を争う有力な
ヒロイン候補の周辺は、師走に向けて騒がしくなってくる。
提供:デイリースポーツ