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世界のヴィブロス強さの秘密/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2017年11月08日(水) 20時00分
 実に5頭ほどが出遅れた今年の府中牝馬S。その原因のひとつになったのは、ある馬のゲート内の“所作”だった。

パトロールを見てみれば分かりますよ。ウチの隣にいたあの馬が、ゲートの中でずっとバタバタしていたから」

 出遅れの被害者?となったクイーンズリング(3番人気4着)を管理する吉村調教師の弁だ。

 実際にレースリプレーを見てみると、クイーンズリングの隣に入っていたトーセンビクトリーが、ゲートの中でずっとガチャガチャしており、その影響を受けた馬がバタついてしまったことで、出遅れが“多発”したようにも見える。

「まあ、そういったことも含めての競馬ですからね。ただ、あのスローペースで後手に回ってしまったのはかなり痛かった」(吉村調教師)

 先日の天皇賞・秋キタサンブラックのように、出遅れながらも難なく勝ってしまうケースもあるにはあるが…。競馬においてスタートが重要になることは今さら言うまでもない。クイーンズリングの前走はトーセンビクトリーの隣にいたこと自体、運がなかった。

 とはいえ、同じようにトーセンビクトリーの近くにいて、その影響を受けながらも、出遅れなかった馬もいる。そのうちの一頭がヴィブロス(1番人気2着)だ。

「ウチのはいつもスタートがいいんですよ。前走にしても近くの馬がガタガタしたのに影響されて、ゲート内でちょっと突進するような格好は見せたけどね。出遅れまでには至らず、スタートを決めてくれました」とは担当の安田助手。

 確かにヴィブロスのこれまでの競馬を見ると、前走も含め、時にゲート内でチャカつくことはあっても、毎回のようにスタートはきっちり決めている。これはヴィブロスの天賦の才なのだろう。

 加えて、ラストの直線では全姉のヴィルシーナ(2013、14年ヴィクトリアマイル連覇)を上回る瞬発力を駆使するのだから隙がない。

「仕上がり自体は早いタイプで、初戦からしっかり走れるけどね。使って良くなるタイプでもあるんだ。前走後も体を1週間くらいですぐに戻したし、今は張りも出てきました。ドバイ(ターフ)で強豪を破ったことを考えれば、ここは負けられないくらいの気持ち」

 今春、ドバイの地で世界にその名をはせた日本の牝馬が、国内統一女王決定戦を制する――。今年のエリザベス女王杯はそんな筋書きになるのでは。

(栗東の坂路野郎・高岡功)

東京スポーツ

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