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ヴィブロス“助演賞血統”のイメージ覆してくれるか/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2017年11月09日(木) 18時00分
 最初に断っておくが、決して自慢話ではない。馬単(1万3360円)を本線的中させた先週のGIIIみやこS。その経緯を当方が振り返るのは、血の宿命を再認識したからだ。

 テイエムジンソク(1着)◎は極めてナチュラル。想像力を働かせたのは▲ルールソヴァール(2着)のほうだ。JBCクラシックを制した全兄サウンドトゥルーの勢いにあやかったわけではない。買ってみたかった理由は兄と非常に似通ったそのキャリア。

 ともに途中に去勢後、1000万で足踏み。ようやく5歳でオープン入りするが、暑さが苦手で夏は放牧。つまり稼働時期が冬というのも共通項である。「これでもまだ全然本気で走っていない」という高木登調教師の言葉、さらに「前走の夏至S(1着)は夏バテ気味で、本当に自信がなかったんです」との川嶋孝典助手の弁に、兄同様の上昇曲線を感じての穴指名であった。

「この一族は格負けしないパワーがあるんだ。いけるよ!」とキュウ舎番頭格の宗方聖助手を叱咤したのは先週半ば。サウンドトゥルーは言わずもがな、半兄コンフォーコは1000万→1600万を連勝、半姉ツインクルスターも1000万卒業後、1600万を2、1着。勢いに乗れば簡単に止まらない一族という認識だ。ルールソヴァールの今回2着がフロック視されるなら、次走もおいしい配当にありつけそうだ。

 さて、前置きが長くなったが、今週のGIエリザベス女王杯にも“血の宿命”を感じる馬が出走する。今年主役と目されるヴィブロスだ。昨年の秋華賞、今春のドバイターフですでにGI2勝。勲章の数は13年→14年のヴィクトリアマイルを連覇した全姉ヴィルシーナに並んだ。それでも拭い切れないイメージ…。それは長嶋茂雄でなく野村克也、ひまわりでなく月見草。当方にすれば最優秀助演賞たる血統イメージである。

 全姉ヴィルシーナにはジェンティルドンナ、半兄シュヴァルグランにはキタサンブラックという光り輝く絶対的ライバルが同期に存在した。だが、ヴィブロスはどうだろう。同期の桜花賞ジュエラーは骨折、オークスシンハライトは屈腱炎で早期引退。幸か不幸か、強さの尺度を見いだせないまま現在に至っている。異世代対決の今回は勝てばきょうだい初のJRA賞(最優秀4歳以上牝馬)が決定的となる一戦だが…。“血の宿命”を覆す真の主役となり得るか、注目の一番である。

(美浦の宴会野郎・山村隆司)

東京スポーツ

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