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平均ラップを刻んだプリンシアコメータが後続を完封/クイーン賞回顧(斎藤修)

  • 2017年12月07日(木) 18時00分
 1着馬55kg、2着馬54kg、3着馬53kg、そして4着以下がすべて51kgというハンデ順の入線。しかも3馬身、5馬身、1馬身半という決定的な着差は、ハンデ以上に能力差があったという結果。

 地方で行われるダートグレードのハンデ戦では、斤量の下限を51kgないしは52kgとしているところが多く、しかも牝馬限定戦ではトップハンデを59kgや58kgにはしにくいため、実力差をハンデで埋めきれないということがよく起こる。しかも今回、JBCレディスクラシックを制したララベルがトップハンデ56kgの設定で、しかし登録のみで回避(というより当初から出走意思はなかったようだが)。そのためなおのこと、ハンデで実力差を埋めることができなかった。

 JBCレディスクラシック2着で、実際の出走馬ではトップハンデ55kgとなったプリンシアコメータだが、勝ち星ということでは1000万条件まで。そういう意味では、アンデスクイーンタガノヴェローナ(ともに51kg)も同じ1000万条件勝ちということで、そこに逆転の可能性も考えられなくもなかったが、まったくそうはならなかった。

 2番枠に入ったプリンシアコメータは、ほかにこれといった逃げ馬もいなかったためすんなりとハナに立つと、アンデスクイーンタガノヴェローナと続いて、すぐに隊列が決まった。

 向正面からプリンシアコメータがじわじわとペースアップすると、3コーナー過ぎでアンデスクイーンタガノヴェローナはすでに追い通し。代わってそのうしろから進出してきたのがアンジュデジール。しかし緩むところがない完璧な平均ペースを刻んだプリンシアコメータに対し、アンジュデジールは3コーナーから脚を使ってしまい、このあたりで勝負あった。

 実際に数字で見ると、プリンシアコメータの刻んだラップは、スタートして2F目に11秒8があるだけで、それ以外はすべて12秒台を正確に並べた。逃げたプリンシアコメータの上り3F=38秒0がメンバー中最速ということでは、後続勢は手も足もでなかったことがわかる。

 早めに前をとらえにいったアンジュデジールは、JBCレディスクラシックのときよりプリンシアコメータとの差を詰めたが、3着のラインハートは逆に末脚を封じられてしまった。

 勝ちタイムの1分51秒8は、2008年、不良馬場でヤマトマリオンが勝ったときの1分49秒5以来の速いタイム。船橋競馬場はこの開催の前に砂の全面入れ替えを行っており、ここまで3日間(いずれも良馬場)の勝ちタイムを昨年の同じ開催と比べると、全体的に2秒ほども速くなっていた。つまりプリンシアコメータが刻んだ平均的なラップは、見た目以上に楽なペースだったといえそうだ。

 プリンシアコメータは東京ダート2100mでも勝っているように、そのレースぶりからも、さらに距離が延びてもよさそう。牡馬相手なら2000mを超える距離のダートグレードがいくつもあり、その路線への挑戦でも楽しめそうだ。

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