今週の栗東は調教開始時刻の気温が5日は4℃とさほど寒くなかったが、6日と7日は0℃。かなりの冷え込みとなったが、快晴だったこともあり、陽が昇っていくと徐々に暖かさが出てきた。
冬場になると雨が降って、それがなかなか乾かずにウッドチップ馬場の時計が遅くなる傾向があるが、今のところはそれがない。ただ、明日8日は雨の予報もあるだけに、その量が多いようであれば、来週の追い切りには影響するかも知れない。
【坂路/4F51.9秒】
6日。一番時計は
キャプテンシップ(栗東・
森秀行厩舎)の4F49.1秒。これに続く4F50秒台は6頭いて、時計上位の数字を見ていると、かなり走りやすい馬場だったといってよい。また4F51秒台の頭数もかなり多いので、先週同様に時計の出る馬場と判断したい。
走りやすい馬場だったからこそ、素晴らしい数字を出したのが
アクティブミノル(栗東・
北出成人厩舎)。1F目こそ14.1秒だったが、そのあとは12.7秒、11.7秒、11.8秒。一気に加速して、その11秒台を持続するところがさすが。とにかく坂路での動きだけならこの馬より動ける馬はいないだろう。
7日。一番時計は
イシマツ(栗東・
森秀行厩舎)の4F51.4秒。
門別競馬場から
JRAに転入したばかりだが、2歳にしてこの全体時計で4F目が最速になるラップを踏める脚力はさすが。門別の坂路でもしっかり乗られていたからこその動きだろう。
この日は追い切り自体が少なかったため、速い4F時計はあまり出ていなかったが、新馬で4F52秒台の頭数もそれなりにいた。よって、ある程度時計を出すことができる馬場状態は前日と変わりないと判断したい。
先週の馬場差は「-0.4秒」。今週も先週同様、全体的に時計の出やすい馬場。よって、今週も6日、7日とも『-0.4秒』で馬場差を記録している。
【CW/5F66.5秒】
6日。先週に比べると、テンから飛ばしていくと終いは止まりやすいかなといった馬場。それも馬によるところがあるので、基本的な馬場状態としては時計が出るという認識でよいだろう。
先週からの変わり身で一番驚いたのは
レントラー(栗東・松永昌博厩舎)。帰厩したばかりの頃はかなりもっさりした走りで、追ってからの伸びがなかった。しかしこの日は単走ながら、道中の走り、最後の伸びともに見映えした。時計は6F83.0秒なので、決して速くないが、中身は明らかに先週までと違う。
7日。前日同様、走りやすさはあるものの、4Fと3F区間が12秒台になるような飛ばし方をすると、最後は余力がなくなってしまう感じ。これは走り方の問題で、馬場が大きく影響しているというところではない。
この日の追い切りから取り上げたいのは2頭。まず、阪神JF(12月10日・阪神芝1600m)に出走予定だが抽選対象の
スカーレットカラー(栗東・
高橋亮厩舎)。中1週ということもあり、CWコースで4F追い切りとなったが、力強く動きが目立った。
もう1頭は前走
菊花賞3着の
ポポカテペトル(栗東・
友道康夫厩舎)。次走は自己条件の
グレイトフルS(12月23日・中山芝2500m)を予定しているが、それに向けての追い切り。併せ馬だったが、先行して最後は
シャイニングボルトと同入でゴール。時計は6F83.6〜5F68.5〜4F53.9〜3F40.0〜1F12.4秒だったが、この数字を楽に出せたのは成長している証。これから先、まだまだ強くなっていくだろうし、そのためにも落とせない一戦になりそう。
先週の馬場差は「-0.6秒」。最近は平均して基準時計よりも速い時計が続くCコース。それが安定している状態で、今週も先週から大きな変化はない。よって馬場差は6日、7日とも『-0.6秒』で記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週の芝馬場は6日は追い切りがなく、7日が
藤原英昭厩舎が単走で1頭。この馬の時計は遅かったが、馬場自体は通常時とほぼ同じ。よって、馬場差は6日、7日とも『±0.0秒』で記録している。
ポリトラック馬場は今週から馬場を掘り返す作業を行っている。この影響がどこまであるか検証してみたいところだが、追い切り頭数が多くないだけに判断が難しい。時計の出方自体は先週までと変わっていないので、馬場差は6日、7日とも『-1.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・写真:井内利彰)