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人気馬の直後で我慢に我慢を重ねたメイショウスミトモ/名古屋グランプリ回顧(斎藤修)

  • 2017年12月15日(金) 18時00分
 専門紙などの予想でカツゲキキトキトに◎が並んだ。とはいえJRA-IPATで馬券が発売されるようになり、いわゆる“中央ファン”が多く地方競馬の馬券に参加するようになって、印ほど地方馬は人気にならないということもめずらしくないので、ひょっとするとカツゲキキトキトは1番人気にならない可能性もあるのでは、とも考えていたが、まったくそんなことはなかった。

 中央5頭はいずれも近走成績がイマイチ。加えてカツゲキキトキトは今回のJRA勢以上の実績馬相手に好走している。というはっきりとした力関係があった。ゆえに単勝では1.8倍。馬連でもカツゲキキトキトから相手中央5頭が上位5番目までの人気。馬単でもカツゲキキトキトの頭が上位3番人気まで。1本被りといってもいい人気だった。

 そうした人気であれば中央5頭を敵にまわす形になるのは当然のこと。みずから勝ちにいかねばならず、さらにマークもされる。地元コースとはいえ、そうした状況でのレースは難しかったようだ。

 カツゲキキトキトが2着だった白山大賞典を振り返ると、そこが大きな目標でもなく、5番人気だったこともあって「あわよくば」という、ある意味で気楽に乗れる立場だった。そのときも逃げたのはクリノスターオーで、やや離れた3番手からの追走。2番手にいた1番人気のインカンテーションクリノスターオーをとらえに行くところを見ながらレースを進めるという立場で、さすがにインカンテーションには並びかけることができなかったが、直線でクリノスターオーをとらえた。

 今回も逃げたのはクリノスターオーだったが、今度はみずから負かしにいかなければならない立場。2周目の3コーナーで仕掛けていく正攻法だったが、直後にいたメイショウスミトモ、そしてトップディーヴォらにとっては、格好の目標となった。トップディーヴォカツゲキキトキトが仕掛けたの見てすぐにとらえにかかり、それを見ていたメイショウスミトモが4コーナーで外に持ち出し、直線でまとめて差し切った。

 カツゲキキトキトにとっては、クリノスターオーが敵ではないと思えば、2周目の向正面で早めに勝負に出て後続勢との差を広げ、脚を使わせてしまうという手はあったかもしれない。ただ、勝たなければいけない立場を考えると、あまり思い切った競馬をするわけにもいかなかった。来年もまだ5歳。今年4着だった佐賀記念か、その先再び地元の名古屋大賞典あたりで期待ということになるだろう。

 メイショウスミトモは、カツゲキキトキトの直後。2周目の1コーナーを回ってペースが上がるまで、ところどころで抑えるのに必死だった。それでも馬が消耗しない程度には我慢できて、それが最後の直線での伸びにつながった。2走前にシリウスSを勝っているが、11番人気ということもあってフロックと思われた面はあっただろう。今年の着順の数字だけを見るとたしかに印象はよくないが、勝ち馬から1秒以上の差をつけられて負けたのは2度だけ。今回5番人気と人気の盲点になったことで、むしろ相手関係に恵まれたのはこの馬で、そのチャンスを見事に生かした。

 実績からオールブラッシュが2番人気、クリノスターオーが3番人気(馬連・馬単のオッズでは逆だが)となったが、ともに前走浦和記念では勝ち馬から大きな差をつけられての敗戦で、そこから調子アップとはならなかった。

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