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枠番抽選の女神は誰にほほえむか/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2017年12月21日(木) 18時00分
 昨年の有馬記念で4096分の1の“ミラクル”が起きた。当事者はマリアライト(10着)に騎乗した蛯名正義。何がミラクルかといえば、収まった枠番である。14年オーシャンブルー(16着)→15年マリアライト(4着)→さらに昨年と、彼の騎乗馬が3年連続で(8)枠16番を引いたのだ。内枠有利が定説の舞台で絶望的な大外枠連続的中は、07年の優勝馬マツリダゴッホ(2枠3番)で相当量の運を使ったせいか、それとも競馬の神様(JRA?)に袖にされているのか?

 ざれごとはさておき、その蛯名が今年騎乗するサクラアンプルールの取材を日曜(17日)に美浦で行った時、金成キュウ舎の池上昌平助手が興味深い話をしてくれた。

「枠が決まった瞬間、テレビに映し出された蛯名さんの何とも言えない表情…。失礼ながら昨年は笑っちゃいました。でも外枠が、なぜ不利か分かります? 単純に距離ロスもありますが、それだけじゃなく、サラブレッドの学習能力が関係しているんです。最初の3〜4角でスタンドから大歓声が上がると、馬はどうしても勝負どころと勘違いして加速しようとする。内枠なら馬の後ろでブレーキがかかるけど、外枠だと壁がない分、力んで走る時間が長くなる。この心身の消耗が最後で響くんです」

 ちなみに、過去31年で有馬16番枠は<0-0-0-16>。今年も大外なら6万5536分の1と“神度”が増すが、真ん中より外を4連続で引く確率さえ16分の1。不運の男・蛯名とて、さすがに今年は好枠を引く番か。何より札幌記念天皇賞・秋が連続して(1)枠1番。人より馬が持っている?

「距離は少し長いけど、一瞬の脚を生かすタイプ。力勝負の東京二千よりトリッキーな中山二五のほうが、ずっと好走のイメージが湧く。札幌記念のようにインでアドバンテージを生かせれば」

 95年の有馬記念で3着したサクラチトセオーの近親という血統からも、枠次第では第2のマツリダゴッホになり得る。もっとも、最大の波乱があれば大本命キタサンブラックが“圏外”に消えた時か。こちらは昨年、天皇賞・春→JC→有馬と大一番でことごとく1番枠を引く“持っている”馬。世相を映す一戦で、今年の漢字が「北」なら“鉄板”ムードも漂うが…。

 悩むとすれば1番枠で昨年勝てなかった同馬が、大外枠を引いた場合だろう。いずれにせよ、21日の枠順抽選が今年もグランプリの行方を左右するのは確かである。

(美浦の宴会野郎・山村隆司)

東京スポーツ

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