木曜、
有馬記念の枠順も決まり、本番まで残すところ僅かとなりました。
有馬記念の出走馬の多くは土曜日に中山へ輸送され、関西馬は朝一番の5時か6時、または9時くらいに栗東を出発しますが、その打ち合わせは木曜に行われることが多いのです。わたしが
有馬記念の関西馬到着取材をすることを知っている陣営の中には親切に「6時出発だからね」とわざわざ教えて下さる方もいます。ありがたいですね! このように皆さんのご協力のもと、取材が成り立っております。ホント、感謝感謝の毎日です。
さて、今日は
スワーヴリチャード陣営を取材してきました!
スワーヴリチャードといえば、皆さん気になるのは右回りに対応できるかどうか、ですよね? 右回りの
皐月賞では6着、そのあとの左回りのダービーではスムーズな走りで2着。やはり
サウスポーと思われても仕方ない印象を受けます。
そのような手前の話を庄野師にふると、「確かに、かつては左回りのほうが走りやすかったかもしれませんね」と、過去のことのように話します。え? では、もうそういった懸念は解消されているのでしょうか?
「実は、以前の
リチャードは確かに左手前で走るのを自分の判断でやめてしまうことがありました。でも、それは成長期で体の
バランスが一時的に崩れていたときのこと。その当時は体の
バランスから左手前よりも右手前のほうが走りやすかったのと、精神的にまだ幼い面があったから『ツライから、もういい!』みたいなかんじで
リチャードが自分の判断で手前を替えちゃっていたんですよ」
なるほど…。そういう話を聞くと、いくら仕事とはいえ
スワーヴリチャードの気持ちもわかります。
「でも、いまは心身ともに成長したことで、体幹がしっかりして体の
バランスも整った。精神面も勝手に馬の気分で手前を替えたりせず、ちゃんと人間の指示どおりに動けるようになったんです」
確かに!
有馬記念に向けての追い切りでも上手に手前を替え、ラストは左手前で走っていました。
「だからね、もう右回りに不安はないんですよ」
厩舎で
スワーヴリチャードを拝見していると、普段は今でも気に入らないことがあったらプイっと背を向けてしまったり、ジャレて噛みつこうとしたり。かなりヤンチャで気が強い印象を受けます。でも、その負けん気の強さがいいかんじで競馬に出ていますよね。プラスして身体の
バランスが整い上手に手前も替えられるのならば、これはかなり期待が持てるのではないでしょうか。
(取材・写真:花岡貴子)