泳ぎのうまい人と、そうでない人がいるように、馬にも泳ぎの上手下手はある。昨年暮れの
チャンピオンズCを制する前から、ゲート難解消の一環で、プール調教を取り入れている
ゴールドドリームも、通い始めた時は、いわゆる“カナヅチ”だった。
「左脚をちゃんと使わずに、右脚だけで泳ごうとするから、どうしても沈んでいってしまって…。ほっといたら“このままおぼれてしまうんちゃうか”って思うぐらい、下手でしたね」(担当の木下キュウ務員)
泳ぎだけで見れば、木下キュウ務員のもう1頭の担当馬
カレンオプシス(古馬500万下)の方がよっぽど上手だというのだから、“陸上競技”と“水泳”はまた別物なのだろう。ちなみに「
オグリキャップも泳ぎが下手で有名でしたよ。どんな泳ぎをしているのか見に行ったことがあって。鼻まで水に浸かって、アップアップしてましたもん」(同キュウ務員)。
“習うより慣れろ”ということなのか。カナヅチだった
ゴールドドリームも、週4ペースのトレーニングを続けるうちに、泳ぎがうまくなってきたそうだ。
「今は両方の脚を
バランス良く使って、泳げるようになりました。かなりの上達ぶりですね。プールで使う筋肉は、走る時とは違うところもあって、体つきもよりムキムキになってきた感じがしますね」
確かに3歳暮れあたりまでは、まだトモが貧弱に映り、トップクラスに入ると見劣りしたが、今では他のどんな超一流ダート馬にも負けない体つきになっている。プール調教によって新たにつけた筋肉も多少は影響しているのかも…。
「正直、
チャンピオンズCの時はなかなか体が絞れず、気持ちも乗ってこなかったので、自信はありませんでした。今回は体が締まって、気持ちも乗って…いつもの
ゴールドドリームになってますよ」と自信を隠さない木下キュウ務員。おそらく今回も「スタートは出遅れるだろう」とのことだが、過去<3100>と相性抜群の舞台なら、多少のビハインドも問題あるまい。
ゴールドドリームが
コパノリッキー(2014、15年)以来となる史上2頭目の
フェブラリーS連覇を達成する可能性は極めて高いとみている。
(栗東の坂路野郎・高岡功)
東京スポーツ